44歳にして一酸化炭素中毒による不慮の事故で鬼籍に入ったスペインの鬼才指揮者アタウルフォ・アルヘンタ(1913~1958)が遺した名盤については過去にもパリ音楽院管弦楽団の「幻想交響曲」をはじめとして何枚か取り上げてきた。今回紹介する「エスパーニャ」と題する彼が遺した最晩年のステレオ録音はLP発売当初からステレオ初期の優秀録音盤として知られていた。
写真は1999年に「DECCA Legends/96kHz24bit変換ーデジタル・リマスター」シリーズでCD化された国内盤(POCL6007)である。内容はシャブリエ/狂詩曲「スペイン」、リムスキー=コルサコフ/「スペイン奇想曲」など「スペイン」をテーマにした作品が全部で5曲収録されている。なかでもちょっと興味深い作品がポーランド系ドイツ人の作曲家・ピアニスト、モシュコフスキ(1854~1925)の「スペイン舞曲第1巻」で原曲は5曲から成るピアノ連弾用組曲だがここでは当然のことながら管弦楽編曲版(編曲者?)で演奏されている。管弦楽は「ロンドン交響楽団」との演奏によるがCD化によりドビュッシーの「管弦楽のための映像」ー「スイス・ロマンド管弦楽団」とのものが加わっている。録音年はいずれも1957年とのことだがこの付加された「ドビュッシー」の国内盤は以前にLPレコードでの発売がされていたか否かの記憶が筆者にはない。演奏は言うまでもなく素晴らしくアルヘンタが遺した不滅の名録音としていつまでも輝き続けることだろう。
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