昨日に続きデルヴォーのLPからもう1枚、写真のアルベール・ルーセル「交響曲第2番」(仏パテ 2 C069-73096)を取り上げてみたい。ルーセルの交響曲については過去にミュンシュ、クリュイタンスの「第3番」、「第4番」のレコードを紹介ずみと思うがそもそもルーセルの交響曲は現在でも録音の数も限られており全集録音となるとルーセル没後50周年記念盤としてリリースされたシャルル・デュトワ&フランス国立管ぐらしか思いだせない。ルーセル(Albert Roussel/1869~1937)の作風はフランス印象主義的観点から出発し新古典主義の境地に達する。この「第2番変ロ長調作品23」はルーセル52歳の時に完成、全3楽章から構成され彼の4曲の交響曲の中でも演奏時間約40分を要する。ルーセル独特の渋さ、色彩感豊かな音づくりが特徴だが聴きどころがつかみにくいところも今いち人気がうすい要因かもしれない。デルヴォーは確かこの「第2番」しか録音しなかったと思うがさすがフランス近代音楽のスペシャリスト、巧みな棒さばきでルーセルのロマンティシズムを聴かせている。またフィルアップされた晩年に書かれた3楽章構成の「小管弦楽のためのコンセール作品34」も印象的だ。