カルロ・マリア・ジュリーニが遺したドヴォルザークの後期交響曲のレコードについてはこれまでにロンドン・フィル「第7番」(EMI/1976年)やシカゴ響「第9番」(DG/1977年)等々を取り上げてきた。今回、この「シカゴ響」との「第8番」(1978年録音)を忘れていたことに気づいた。彼は「第8番」も3回録音しておりこの「シカゴ響盤」(独グラモフォンー2531046)は1962年の「フィルハーモニア盤(EMI)」に次ぐ2回目の録音であった。個人的にはこの演奏が一番ジュリーニらしい気品ある演奏で気に入っている。ちなみに3度目の録音はデジタルで1990年、「ロイヤル・コンセルトヘボウ」とのシリーズだった。(ソニー・クラシカル) 今、改めて思い起せば彼が「シカゴ響」首席客演指揮者、「ロス・フィル」音楽監督を務めていた1970年代から80年代の録音はまさに彼の円熟した演奏が聴ける黄金期と云えるだろう。