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パガニーニのヴァイオリン協奏曲

2009-03-10 16:00:19 | 協奏曲
 ヴァイオリンの超人ニコロ・パガニーニ(1782~1840)にまつわる話はつきない。彼はヴァイオリニストのほかにヴィオラ、ギターもこなし作曲家の顔も持つ鬼才であった。私生活では賭博が好きで演奏会の前日大負けして商売道具の大切なヴァイオリンを失ってしまったこともあるという。作曲家としての彼は当然のことながらヴァイオリン作品を数多く遺したが作品が盗用されるのを恐れ楽譜の管理も自身が行いほとんどの作品を出版しなかった。さらにオーケストラ・パート譜も演奏終了後全て回収したというから凄い念の入れようである。今回取り上げるヴァイオリン協奏曲作品も例外にもれず実際何曲作曲されたか正確な数は現在でも謎である。その理由のひとつにパガニーニの死後、遺族が自筆楽譜のほとんどを処分してしまったことである。
 写真の第6番の協奏曲の楽譜は1970年代初頭に当時ジェノヴァのパガニーニ協会の会長を務めていたピエトロ・ベルリという人が偶然にロンドンの古物商の店で発見したと言われている。おそらくこれはヴァイオリン・ソロパート譜と推測される。作曲者死後の初演は1973年このレコードのソリストと同じサルバートレ・アッカルドがフェデリコ・モンテベッリオによる再構成オーケストラ譜によってされている。もちろん写真のLPは初演を果たしたアッカルド独奏によるシャルル・デュトワ指揮ロンドン・フィルによる1974年世界初録音ということになる。
 最後にこの作品の作曲年代だが第1番の協奏曲(1817年?)より以前作曲されたのではないかと推定されている。曲は以前の協奏曲と同様3楽章構成でこのレコードでは第1楽章、第2楽章のカデンツァはアッカルド自身のアレンジによっている。さすがパガニーニ弾きのアッカルド、あっぱれ!!