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私のレコード・ライブラリーから

私のレコード/CDコレクション紹介

ドラティのバルトーク - 歌劇「青ひげ公の城」

2011-09-04 11:55:17 | オペラ

 ハンガリー、ブダペスト出身の名指揮者アンタル・ドラティ(Antal Dorati/1906~1988)もバルトークを得意にしていた人である。筆者が彼の指揮に生で接したのは彼が1982年3月の「読売日響」の定期に客演したと時だった。この時彼がプログラムの最後に取り上げた作品もバルトークの舞踊音楽「中国の不思議な役人だった。今回久しぶりに彼が1962年に録音したバルトークの代表作の一つ歌劇「青ひげ公の城」を聴き直しその演奏の素晴らしさを再認識した。(米マーキューリー434 325-2)
 因みに筆者がこのオペラを「演奏会形式」だったが初めて生で聴いたのも1972年7月の若杉 弘指揮による「読売日響」の定期だった。因みにこの時「ユーディット」を長野 羊奈子、「青ひげ」を大橋国一が歌った。今振り返ると当時が懐かしい。さてこのドラティ盤だがやはり「青ひげ公」を歌うバスのミハーイ・セーケイの声に魅了される。またユーディットのオルガ・セーニ(ソプラノ)も美しく響く。60年代の超ステレオ録音ー「35mmマグネチック・フィルム」による録音だけあり今聴いてみてもその音質の魅力は失われていない。さらにそれに応えるように「ロンドン交響楽団」のアンサンブルも見事である。おそらくゲオルグ・ショルティが1979年、シルヴィア・シャシュ(Sp)、コロス・コヴァーチュ(Br)、ロンドン・フィルと英デッカに録音した同曲の名盤と並ぶものではないかと思う。余談ながら筆者はこの録音が行われる直前1979年3月、運よく「ロンドン・フィル」の定期公演(ロイヤル・フェスティバル・ホール)でこのコンビによる演奏を聴くことができた。(写真下、当時の「ロンドン・フィル」プログラム)」

 

イタリア・オペラ黄金期の名盤! テバルディのプッチーニ「ラ・ボエーム」

2011-08-07 13:13:59 | オペラ

 今日紹介したい写真のCD、プッチーニの歌劇「ラ・ボエーム」はまさに「イタリア・オペラ黄金時代」にレコーディングされた名盤の1枚である。筆者は以前に紹介した「カラヤン盤(DECCA1972録音)」共に愛聴している。この録音はもう半世紀余り前の1959年の「DECCAステレオ録音」だがその音質は時代の古さを全く感じさせない。このCDで悲劇のヒロイン、ミミを歌うレナータ・テバルディは歴代のミミ役の中でもベスト・スリー以内にランクされるだろう。また相手役のパリの屋根裏部屋に住む貧乏詩人ロドルフォを演じるカルロ・ベルゴンツィのテノールも絶品だ。さらに録音当時すでに80歳を超えていたイタリア・オペラ界の重鎮トゥリオ・セラフィの指揮も冴え渡る。管弦楽及び合唱はローマ聖チェチーリア音楽院管弦楽団・同合唱団。(写真/独デッカ411 868-2)
 余談ながらテバルディはこのオペラをモノラルでも1951年に同デッカにアルベルト・エレーデの指揮で録音している。

ブーレーズ(3幕版)によるベルク/歌劇「ルル」

2011-08-06 20:34:32 | オペラ

 筆者はまだ「3幕版」によるベルク/歌劇「ルル」の生の舞台を見ていない。5,6年前になると思うが東京オペラ・シティの「オペラ劇場」でステファン・アントン・レック指揮、日本を名ソプラノー「佐藤しのぶ」が歌う「ルル」を鑑賞したことがある。この時も当初は「3幕版」の予定が「2幕版」に変更されちょっと残念な思いをした。
 そもそもこのオペラはベルクの手で「第2幕」まで完成された後、「第3幕」はベルクの死により「草稿」の形で残された。そしてフリードリヒ・チェルハがこの「第3幕」を草稿を元に補筆・完成に至ったのは1974年のことであった。その後、この完成した「第3幕」にチェルハ自身による改訂も加えられピエール・ブーレーズ指揮、パトリス・シェロー演出による「3幕版」が世界初演されたのは1979年2月24日パリの「オペラ座」であった。因みに主役のルルはテレサ・ストラータスが歌った。この初演と同メンバーで「3幕版」世界初レコーディングされたのが写真のCDであった。管弦楽は「パリ・オペラ座管弦楽団」、この他にイヴォンヌ・ミントンがゲシュヴィッツ伯爵令嬢、ヘルデン・バリトンのフランツ・マツーラが暴君、「シェーン博士」を演じている。(写真/ドイツ・グラモフォンー3CD/415 489-2)
 

開かれた封印!ムーティ/ミラノ・スカラ座のヴェルディ「椿姫」ライヴ盤

2011-08-01 22:36:36 | オペラ

 「ミラノ・スカラ座」におけるヴェルディ「椿姫」のライヴ盤で真っ先に思い浮かぶのは今や「伝説の名ライヴ」と呼ばれる1955年のジュリーニが指揮した「マリア・カラス盤」(EMI)であろう。その後「スカラ座」におけるこのオペラの上演は1964年12月、ヴィオレッタにミッレラ・フレーニ、アンナ・モッフォを起用したヘルベルト・フォン・カラヤンによる公演後はその背景に様々な事情があったにせよリカッルド・ムーティが1992年3月に演目に取り上げるまで実に足掛け28年に及び上演されることがなかった。写真のCDはその公演の模様を編集したライヴ録音である。(ソニー・クラシカル/S2K52 486)
 この上演ではヴィオレッタを歌うファッブリチーニ、アルフレードのロベルト・アラーニャなど当時の若手を中心としたキャスティングになっている。発売当時、筆者も興味津々にこのライヴ盤を求めた思い出がある。ライヴ録音ならではの臨場感ある名演である。因みにムーティは1995年9月の「ミラノ・スカラ座来日公演」でこの「椿姫」をプログラムにとりあげている。この時もヴィオレッタは確かファッブリチーニが歌っていた。

「コンサート・ホール盤」 - ワーグナー/楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」ハイライト

2011-06-08 18:39:55 | オペラ

 今日は久しく針を下ろしていなかった「コンサート・ホール盤」の懐かしいオペラ抜粋LPからワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」をかけてみた。(写真/コンサート・ホールーSMS-2679/ステレオ)
 このハイライト盤に登場する歌手陣は靴屋ハンス・ザックス=ルドルフ・ゴンスツァール(Rudolf Gonszar),金細工師ファイト・ポーグナー=ゲオルグ・シュテルン(Georg Stern),靴屋ザックスの徒弟ダーヴィット=ヤコブ・レース(Jakob Rees)、金細工師ポーグナーの娘エヴァ=ウタ・グラーフ(Uta Graf),フランケン地方出身の若い騎士ヴァルター・フォン・シュトルツィング=カール・リーブル(Karl Liebl),そしてエヴァの乳母マグダレーネ=アンネリーゼ・シュロスハウアー(Annelisse Schlosshauser)といったところで特に一世を風靡した歌手は見当たらないが中でもエヴァを歌うソプラノのウタ・グラーフ(1915~1995)は1940年代からアーヘン、ケルンを中心に活躍、戦後はアメリカのサンフランシスコのオペラハウスにも出演し人気を得た人である。指揮はウィーン生まれのカール・バンベルガー(Carl Bamberger/1902~1987)、フタンクフルト歌劇場管弦楽団・合唱団による1956年録音である。おそらくこの録音は最初から全曲録音ではなくハイライト盤として収録されたものと思われる。従って「第一幕への前奏曲」もオーケストラ・コンサート用のコーダ付きのもので演奏されている。全体として可も不可もない演奏だが全曲4時間以上を要するこの楽劇の聴きどころを約1時間に集約し気軽に楽しめる1枚でもある。

プッチーニ/歌劇「マノン・レスコー」

2011-04-16 16:27:31 | オペラ
(フランチェスコ・モリナーリ=プラデルリ指/ローマ聖チェチリーア音楽院管弦楽団・合唱団、レナータ・テバルディ、マリオ・デル・モナコ他、デッカ国内盤ーUCCD3349-50)
 
 プッチーニ(Giacomo Puccini/1858~1924)の名作オペラ「マノン・レスコー(Manon Lescaut)」の題材はフランスのアベ・プレヴォ(Abbé Prevost)」の小説「騎士デ・グリューとマノン・レスコーの物語」であるが他にこの物語をテーマにしたオペラではプッチーニより先輩にあたるプレヴォと同じフランスのマスネ(Jules Massenet/1842~1912)のオペラ「マノン(Manon)」がよく知られている。しかしプッチーニのこのオペラの名盤となると今回紹介する写真のテバルディ/モナコ盤(英デッカ)の他にカラス/ステファノ盤(EMI)が今筆者の頭に浮かぶぐらいである。
 この1954年の最初期ステレオ録音の「テバルディ/モナコ盤」はこの二人が共演した唯一のもので音質も最初期のものとしては大変すばらしく現在でも遜色なく二人の極めつけの美声が聴ける。余談ながらこのオペラの旋律美はプッチーニのオペラ作品の中でも一、ニを争うほど素晴らしいが舞台もフランスのアミアン、パリ、ル・アーヴル、最後の第4幕ではアメリカのニューオリンズまで飛び物語の筋がちょっと分かりにくいところが難点でもありまた興味深いところかも知れない。
 

コルンゴルトの傑作オペラ「死の都」

2010-12-28 01:22:10 | オペラ
 エーリッヒ・ヴォルフガング・コルンゴルト(Erich Wolfgang Korngold/1897~1957)は現在のチェコ共和国モラヴィア地方ブルノ出身の作曲家である。彼はR.シュトラウスの影響も受け当時モダンな様式の音楽家として注目を浴びた。ナチス台頭後、1934年アメリカに亡命しハリウッドで「ロビン・フッドの冒険」などの映画音楽も手がけた人である。
 彼がアメリカに亡命する以前に書いたオペラ「死の都」作品12(1920年)は彼の傑作オペラとして知られている。この作品は19世紀末のベルギーの古都ブルージュを舞台とした禁断のエロス、失われた過去への郷愁をテーマとした「幻想物語」で台本はパウル・ショット(Paul Schott)によるものとなっているがこの人物の正体は1975年「ニューヨーク・シティ・オペラ」での復活上演まで明らかにされていなかった。実はその正体は「コルンゴルト親子」だったのである。因みにオペラの下敷きとなったのはローデンバックの短編小説「死都ブルージュ」であった。
 コルンゴルトの巧みなオーケストレーションの素晴らしさも聴きものである。写真のCDは主人公パウルにルネ・コロ(テーノール)、マリエッタ(踊り子)とパウルの亡き妻マリーの幽霊の二役にキャロル・ネブレット(ソプラノ)他による当時のベスト・キャストによる1975年世界初の全曲録音で2001年に国内初リリースされたものである。エーリッヒ・ラインスドルフ指揮、ミュンヘン放送管弦楽団 バイエルン放送合唱団、テルツ少年合唱団による演奏。(国内盤RCA-BVCC37095~96)
 

「4トラック・9.5cm/sステレオ・オープン・テープ」コレクションから

2010-12-25 18:18:58 | オペラ
 
 だいぶ以前にカラヤン/フィルハーモニア管弦楽団による「シベリウス交響曲第2番・第5番」の懐かしい米エンジェルの「9.5cm/s4トラック・ステレオ・オープンテープ」を紹介したと思うが今日は同規格のオペラ・オープンテープ・コレクションの中から写真のマリア・カラスのプッチーニ「トスカ」を取り上げてみたい。
 カラスはこのオペラを1953年にサーバタの指揮でモノラル録音しているが写真はジュルジュ・プレートル指揮によるパリ音楽院管弦楽団ほかによるステレオによる再録音である。(米エンジェル/9.5cm/s4トラック・ステレオ・テープ/Y2S3655)録音はパリの「サル・ワグラム」において1964年12月から翌65年1月にかけて行われており過去にLP、CDでも何度となくリリースされているものである。このステレオ録音ではスカルピア役のバリトンのティト・ゴッピ以外のキャストは全て異なっている。一般的にカラスの「トスカ」はこのステレオ録音よりサーバタとのモノラル録音の方が評価が高い。しかし筆者はこのステレオによるカヴァラドッシを歌うテノール、カルロ・ベルゴンツィの魅力にもひかれてしまう。
 ところでこのテープが発売された当時(1960年末から70年代前半)、国内でのオープン・テープ・ソフトは「4トラック19cm/sステレオ」であったが海外ー特にアメリカを中心に9.5cm/sの長時間収録のソフトも発売されていた。音質の点では19cm/sに比較すれば当然のことながら劣ってしまうが長時間のオペラも「7インチ」のロング・テープ1本に収録でき販売コストも押さえられる利点もあったからであろう。その音質は現在再生しても先入観を持たなければそれほど気になることはない。それよりもオープン・テープの保存は気温や早送り状態での長期間放置でワカメ・テープ状態になり再生不能になってしまうことが多々あるので現在も結構神経を使っている。


フンパーディンクの代表作ー歌劇「ヘンゼルとグレーテル」

2010-11-17 12:12:31 | オペラ
 今年も間もなく「クリスマス」シーズンがやってくる。「光陰矢のごとし」で月日が経過するの速いものである。「クリスマス」の時期になるとヨーロッパでよく上演されるオペラにエンゲルベルト・フンパーディンク(Engerlbert Humperdinck/1854~1921)が書いた代表作「ヘンゼルとグレーテル(Hänsel und Gretel)がある。このオペラの題材は言うまでもなく「グリム童話」からとられているが内容は原作と異なるところも多い。また台本は彼の妹であるアーデルハイト・ヴェッテによるもので兄妹の共作によるオペラであることも珍しい。また題材からして子供から大人まで楽しめるオペラでもあることも人気がある由縁であろう。初演は1893年12月のまさに「クリスマス・シーズン」にドイツのワイマールの宮廷歌劇場でリヒャルト・シュトラウスの指揮により行われいる。レコード録音もこれまでに多数リリースされているが筆者は写真のLP盤クルト・アイヒホルン指揮バイエルン放送管弦楽団他の演奏によるものを愛聴している。(国内盤/日本コロムビア/OQ7296~97)このレコードはフンパーディンク没後50年の1971年6月から7月にかけてミュンヘンで録音されたもので「ほうき作りーペーター」に名バリトンのディートリヒ・フィッシャー=ディスカウ、ヘンゼルにメゾ・ソプラノのアンナ・モッフォ、グレーテルにソプラノのヘレン・ドナート、そして魔女にメゾ・ソプラノのクリスタ・ルートヴィッヒと当時最高のキャストによるところも申し分ない。

ショルティ/シカゴ響他による「マイスタージンガー」

2010-11-13 19:02:25 | オペラ
 サー・ゲオルグ・ショルティ(Sir Georg Solti/1912~1997)はR.ワーグナーの楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」全曲盤がカラヤンと同様2つある指揮者である。一つは1975年のウィーン・フィル他との録音、そして二つ目がこのシカゴ交響楽団他による全曲盤である。このシカゴ響との録音は1995年9月、シカゴ・オーケストラ・ホールおけるコンサート形式によるライヴを編集しての全曲盤である。筆者はステレオ録音によるこの楽劇の全曲盤はショルティ盤をよく好んで聴いている。写真は1997年にリリースされたコレクター・ナンバー入りの英デッカ限定盤(452 606-2)だが国内盤はこの年のオペラ部門の「日本レコード・アカデミー賞」も受賞している。
 この録音で先ず筆者が興味深かったのはバス-バリトンのヨセ・ファン・ダムがハンス・ザックスを歌っていることであった。彼のザックス役の録音はこの時が初ではなかったかと思う。この他の歌手陣もヴァルター役のベン・ヘップナー(テノール)、ベックメッサー役のアラン・オーピー(バリトン)、エヴァ役のカリタ・マティッラ(ソプラノ)等々、魅力がつきなかった。さらにショルティ80歳を過ぎてからのこのライヴによる全曲録音、そのバイタリティーには驚かされた。その後もライヴによる彼のワーグナー楽劇再録音を期待したがこの全曲盤がリリースされた年の9月、急死により夢に終わってしまったのが心にのこる。