
今日は普段めったに針をおろすことがないジャンルのレコードから写真の1枚を取り上げてみたい。このLPは「Musique de la Renaissance」(ルネッサンスの音楽)と題された2枚組みのアルバムで私がかれこれ40年近く前にフランスのロワール河流域に数多く点在する古城を訪れた際、シュノンソー城の売店で求めたものと記憶している。因みにシュノンソー城はロワール河支流シェール川にまたがって建つ何代にも渡り女性が城主として君臨した優美な城である。
一般に「ルネッサンスの音楽」とはロワール河流域に建てれた数々の城とほぼ同時期15世紀から16世紀にかけて作曲されたポリフォニー技法の音楽である。これらの作品は当時城の中庭などで宮廷の行事や娯楽のために演奏されていたと思われる。このアルバムには16世紀に活躍したフランスのクロード・ジェルヴェーズ(Claude Gervaise)の作品を中心にイタリアのジローラモ・ファンティニ(Girolamo Fantini)やジョヴァンニ・ピエルルイージ・ダ・パレストリーナ(Giovanni Pierluigi da Palestrina)などの作品も収録されている。たまには時代をイメージしながらこのジャンルの音楽に耳を傾けてみることも悪くない。
演奏は「ピエール・ドゥヴヴェイ古楽器アンサンブル」(ENSEMBLE D'INSTRUMENTS ANCIENS PIERRE DEVEVEY),パリ国立オペラ座金管アンサンブル(ENSEMBLE DE CUIVRES DU TEATRE NATIONAL DE L'OPERA DE PARIS)ほかによるもので録音年代は不明だが1960年前後のものと推定される。ジャケット・デザインには見事なシンメントリーで建築されたロワール最大の城 -「シャンボール城」を絵画が用いられている。(仏ーCONTREPOINTーCV25012)