クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その51 ヴェルデイ 「レクイエム」

2006年10月29日 | とっておきの名盤「声楽曲」
1960年、最晩年のライナーがRCA専属の歌手陣を伴い、DECCA専属のウィーン・フィルとの夢の競演を行った一枚。
この演奏は、異様なまでにテンポが遅い。
普通7分30秒~9分30秒程で演奏される第一楽章を何と12分18秒で演奏している。
しかしその遅めのテンポの中で、ライナーは持ち前の厳しさと緊張感を崩すことなく、ヴェルデイの慈しみの旋律をじっくりと歌わせる。
それに応えるかの様に、魂を込めて歌う歌手陣や合唱団のカンタービレに溢れた豊かな表現が素晴らしい。
一時、TVのコマーシャルに使われて有名になった「怒りの日」の激しさも、尋常ではない。
この年の9月に亡くなったビヨルリンクの力強い歌唱、プライスの天にも突き抜けるかの様な透き通った歌声、それをバックアップするウィーンフィルの音色が何とも云えない。
発売当時のジャケットでないのが残念だが、この曲の演奏では抜き出た一枚である。
この曲のベストスリーは、
・フリッツ・ライナー指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、レオンタイン・プライス<S>、ロザリンド・エリアス<A>、ユッシ・ビョルリンク<T>、ジョルジョ・トッツィ<B>、ウィーン楽友協会合唱団 <DECCA>
・ゲオルク・ショルテイ指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、ジョン・サザーランド<S>、マリリン・ホーン<Ms>、ルチアーノ・パヴァロッティ<T>、マルッティ・タルベラ<B>、ウィーン国立オペラ合唱団 <LONDON>
・カルロ・マリア・ジュリーニ指揮、フィルハーモニア管弦楽団、エリザベート・シュワルツコップ<S>、クリスタ・ルートヴィッヒ<Ms>、ニコライ・ゲッタ<T>、ニコライ・ギャウロフ<B> <EMI>

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