クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その80 ドヴォルザーク チェロ協奏曲ロ短調 作品104

2007年03月21日 | とっておきの名盤「協奏曲」
この盤を聴く度にいつも胸の中に湧き出てくるのは、1960年代のベルリンフィルは何と素晴らしかったことかという思いだ。
引き締まった弦はもちろんのこと、特にホルン、フルート、オーボエなど、管楽器の群を抜いた響きの見事さは後のベルリンフィルでは絶対に味わうことの出来ないものだった。
第一楽章での望郷の念をこめた懐かしさ極まりない第二主題の旋律を奏でるホルンとそれを引き継ぐフルートの音色など、言葉で言い尽くせない美の高まりが聴くものの胸を締め付ける。
第二楽章での随所に聴かれる神秘的とも云ってよいフルートの響きを聴くたび、私など懐かしさと言うか、癒しというか、上手く表しきれないが、心からの安らぎというものを覚えている自分にふと気づく。
この盤で絶妙なフルートの音色を聴かせてくれる名手は、戦後の代表的名フルート奏者オーレル・ニコレの後を継いだカール・ハインツ・ツェラーで、私の最も好きな奏者の一人だった。
曲の素晴らしさ、名チェリストのロストロポーヴィッチの立派さを書かなければ話がまとまらないのに、書くことはどうしても60年代のベルリンフィルへの思い入れになってしまう。
定番とされている演奏で、今更と言われるかもしれないが、そのフルートの奏でる感動的な響きに耳を浸すだけでも一聴の価値がある名盤、是非とも機会を見て耳を傾けて欲しいと思う。
この曲のベスト・スリーをあげると、
・ムスティスラフ・ロストロポーヴィッチ<Vc>、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 1968年録音<Grammophon>
・ジャクリーヌ・デュプレ<Vc>、ダニエル・バレンボイム指揮、シカゴ交響楽団 <EMI>
・ルートヴィヒ・ヘルシャー<Vc>、ヘルマン・アーベントロート指揮、ライプチヒ放送交響楽団 <Deutsche Shallplatten>

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1 コメント

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懐かしい・・ (yokochan)
2007-03-24 23:14:30
こんばんは。当時のベルリンフィルはおっしゃるとおり、最高ですね。特に管楽器。ベームとのモーツァルトなども素晴らしいです。
このドヴォルザークのレコード・ジャケット、録音時のリアルなショットがまたいいですね。
そしてイエス・キリスト教会の響きのよさも特筆です。
若き日々を思い出します。
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