クラシック 名盤探訪

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秩父三十四札所巡り その3

2009年06月12日 | 歴史・旅(国内)
コース順路:コース満足度★★★★ 3月2日~5日
橋立堂(28番)→久昌寺(25番)→法泉寺(24番)→今宮坊(14番)→今宮神社 →少林寺(15番)

三日目は浦山口駅から山道を少し登ったところにある第28番橋立堂からスタート、観音堂の背後には巨大な絶壁がたたずみ、見上げるとかなりの迫力を感じる。
本尊が馬頭観世音菩薩というのは、西国、坂東、秩父の百観音霊場のうち本寺と松尾寺(両国29番)だけであり、非常に珍しい。
ここにある橋立鍾乳洞、元は観光目的ではなくお遍路さん達の胎内巡りの場所だったらしい。
鐘乳洞内の3分の2は竪穴でかなり狭い所もあり、なるほどと感心する。
霧の海 たち重なるは 雲の波 たぐいあらじと わたる橋立
第25番久昌寺、本尊は聖観世音菩薩。
通称御手判寺と言われ、性空上人が冥府で妙典一万部を誦し、閻魔大王から貰った石の手判を納めたところから来ているという。
写真が無くて残念だが、この堂の右側から池越しに眺める本堂はかなりの美しさがある。
水上は いづくなるらん 岩谷堂 朝日もくなく 夕日かがやく
 

久昌寺を出て第24番法泉寺へと続く道は、巡礼古道久那みちと呼ばれるなかなか風情のある道で、終始右手に見える武甲山の眺めが、参拝者の心をずっと癒し続けてくれる。
 

第24番法泉寺にたどり着く、本尊は聖観世音菩薩。
この寺は仁王門と本堂を一つにした形式の建物で、左右に小さな仁王像があるのが印象的だ。
天照す 神の母祖の 色かへて なおもふりぬる 雪の白山
山道を降りて秩父市内へと向かい、程なく行くと第14番今宮坊に到着、本尊は聖観世音菩薩。
明治初年の神仏分離と修験道廃止令によって神社と観音堂は分離されてしまったので、ここで見れるのはお堂のみ。
昔より 立つともしらぬ今宮に 参る心は 浄土なるらん
 

今宮神社の御祭神が物々しいのに驚く。
伊邪那岐大神・伊邪那美大神・須佐之男命・八大龍王神・役尊神(役行者)・八幡神宮中八神(御巫八神)・聖観世音菩薩・馬頭観世音菩薩などとある。
いつもの倍ほどの厳かな気持ちで二礼二拍一礼をして、なにやらお願い事をする。
境内にある大きなケヤキの木が素晴らしい。
海老名市にある大ケヤキと比較しても、その見事な姿かたちは引けをとらないものがある。
説明文によると、推定樹齢千年以上、樹周約9mの大欅「龍神木(駒つなぎの欅)(天然記念物)」で、ここは秩父エリアの中で風水の力が最強の地であり、自然信仰の聖地でもあるとされている。
 

今回の札所巡り最後に訪れたのは第15番少林寺、本尊は十一面観世音菩薩。
本堂(観音堂)は白漆喰塗りの耐火構造で土蔵造り、これは明治11年(1878年)の秩父大火で焼失した教訓を活かして再建されたためという。
境内には秩父事件のことを記した碑がある。
明治17年(1884)10月31日から11月9日にかけて、埼玉・群馬・長野などの民衆数千人が負債の延納、雑税の減少などを求めて武装蜂起した事件で、何故このような事が起きたのかとても気になる出来事ではある。
みどり子の ははその森の 蔵福寺 ちちもろともに ちかひもらすな
 

今回の札所巡りの旅、半分ほどの寺しか回れなかったが、心を洗われるような気持ちも充分持てたので、まずは収穫であった。
秩父三十四札所巡り その2
秩父三十四札所巡り その1