クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その126 マーラー 交響曲「大地の歌」

2008年06月05日 | とっておきの名盤「交響曲」
若干22歳の時、マーラーの推薦でプラハのドイツ歌劇場の指揮者に就任したクレンペラー、マーラーの作品の演奏を得意とされている所以だが、彼の一連の交響曲の録音を耳にすると、私には出来不出来がかなり激しいように思える。
名盤紹介の雑誌などで素晴らしいとされている七番や九番の演奏を聴いた時など、その気の抜けたビールを味わっているような指揮ぶりに失望し、すぐにその盤を中古レコード屋に売り飛ばしたことを良く覚えている。
一方第2番と4番、そしてこの「大地の歌」などは、何故かすこぶる魅力ある演奏となっている。
歌が入っている交響曲を指揮するクレンペラーに、歌い手を触発する何かがあるのかもしれない。
ワルター盤のフエリアーの神がかり的な熱唱と比べても、ヴンダーリッヒの張り詰めた「酒の歌」の歌いぶり、そしてルートヴィッヒの叙情に満ち溢れた「告別の歌」の表現には、とにかく聴き手を感動させる何かがある。
とっておきの名盤として外すことの出来ない一枚。
この曲のベストファイヴは、
・ブルーノ・ワルター指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、キャスリン・フェリアー(コントラルト)、ユリウス・パツァーク(テノール) <DECCA>
・オットー・クレンペラー指揮、フィルハーモニア管弦楽団/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団、クリスタ・ルートヴィッヒ(メゾ・ソプラノ)、フリッツ・ヴンダーリッヒ(テノール) <EMI>
・レナード・バーンスタイン指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団、ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)、ジェームス・キング(テノール) <LONDON>
・ヤッシャ・ホーレンシュタイン指揮、BBC北部交響楽団、アルフレダ・ホジソン(アルト)、ジョン・ミッチンソン(テノール) <BBC>
・ブルーノ・ワルター指揮、ニューヨークフィルハーモニック、ミルドレッド・ミラー(メゾ・ソプラノ)、エルンスト・ヘフリガー(テノール) <CBSSONY>
唯一クレンペラー盤がワルター盤の高みに近づいている