クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その103 ブラームス ピアノ協奏曲第2番変ロ長調 作品83

2007年10月06日 | とっておきの名盤「協奏曲」
この盤は、ポリーニとアバドによるライヴ録音で、その冒頭からの熱気溢れる演奏は素晴らしいの一言に尽きる。
もう10年も経つ(1997年録音)と言うのに、この盤を聴いた時の風格の極みともいえるポリーニの力量の大きな演奏を、今でも鮮やかに私の脳裏に思い出すことが出来るほどだ。
この曲はブラームスの円熟期の作品だけあって、その音楽の自然な流れと、作曲者の感情の微妙な動きを滲み込ませた曲想は彼だけが表し得たものに違いない。
第3楽章の初め、チエロ独奏の後、侘びと寂にみちた秋の夕暮れを思わせる雰囲気の中、ポリーニのピアノが絶妙なタッチでブラームスの憂いを訴えかける。
そしてアバドの、ベルリンフィルを手中のものにした精妙なオケコントロールで、バックアップするタクトの間合いが何ともいえない効果を引き出している。
とにかくとっておきの名盤として絶対に外せない一枚で、何度聴いても飽きの来ない演奏には、敬意を表すのみ。
この曲のベストファイヴをあげると(但し、上位3枚は同列としたい)。
・ウィルヘルム・バックハウス<P>、カ-ル・ベーム指揮、ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 <LONDON>
・マウリツィオ・ポリーニ<P>、クラウディオ・アバド指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 <Grammophon>
・ウラディミール・アシュケナージ<P>、ベルナルト・ハイテインク指揮・ウィーンフィルハーモニー管弦楽団 <LONDON>
・スヴャトスラフ・リヒテル<P>、エーリッヒ・ラインスドルフ指揮、シカゴ交響楽団 <RCA>
・ハンス・リヒター=ハーザー<P>、ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団 <Disky>