クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その81 ブルックナー交響曲第6番イ長調

2007年04月01日 | とっておきの名盤「交響曲」
1994年、86歳の高齢で亡くなったアイヒホルンの最後の録音となったのが、今回とりあげるこのとっておきの名盤。
この秘すれば花というような愛すべき曲を、奇を衒うことも無く、淡々と朴訥とも思えるほどに、素朴で純な演奏を繰り広げていく。
それこそ、自然の中に子供のような気持ちで純粋に生きたブルックナーの曲には、真にふさわしい。
第6番はあまり目立たない曲だが、その最初の二つの楽章の素晴らしさ、特にその叙情的な部分を耳にすると、私などこの曲のイメージを路傍の花に託したくなる。
道端に咲くスミレの花とも勿忘草とも評すれば良いだろうか。
たしかにこの曲は、最後の3大交響曲への道を切り開く重要な作品といっても良いと私は思う。
巨匠と呼ばれる多くの名指揮者がこの曲を演奏している中で、あまり知られた指揮者とは言えないアイヒホルンのものを何故選ぶのかと聞かれても、その純粋さ朴訥さが私の心をつかんで離さないからとしか言いようが無い。
好きな7番や8番などを離れて、たまにはブルックナーのほかの曲をという時に、無意識に手にしているのがこの盤、耳にすればするほど心の奥底から気持ちが和らいでいる自分に気付く。
この曲のベスト・ファイヴの名盤をあげると、
・クルト・アイヒホルン指揮、リンツ・ブルックナー管弦楽団 <Camerata>
・フエルディナント・ライトナー指揮、バスラー交響楽団 <ACCORD>
・オイゲン・ヨッフム指揮、バイエルン放送交響楽団 <Grammophon>
・ウォルフガング・サヴァリッシュ指揮、バイエルン国立管弦楽団<Orfeo>
・セルジュ・チェリビダッケ指揮、ミュンヘンフィルハーモニー管弦楽団 <EMI>