クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その78 チャイコフスキー 交響曲第6番ロ短調「悲愴」作品74

2007年03月07日 | とっておきの名盤「交響曲」
この曲はチャイコフスキーの名作の中でも構成が特に異色で、消え入る様な弱音で終わる終楽章など何とも聴く者にとって印象深い。
この曲の初演後8日目にチャイコフスキー自身が亡くなっており、「悲愴」のタイトルがとても身につまされる思いがする。
バーンステインの1986年盤は、とにかく聴いて欲しいの一言に尽きる壮絶な演奏だ。
表現の振幅がとにかく大きい。
第一楽章の出だしの消え入るようなテンポと弱音、甘美な第2主題の後にやってくる展開部の異常なまでの表現の激しさ、そして再現部へのすざましいリタルランドなど正気の沙汰の演奏とは思えない。
通常11分ほどの第四楽章を17分もかけて演奏しているのは、何か聴く者に訴えたい特別なメッセージがあったのだとしか思えない。
重い演奏だが、この曲を聴くなら是非取り上げたいとっておきの名盤。
あえてこの曲のベストファイヴをあげると、
・レナード・バーンステイン指揮、ニューヨークフィルハーモニー管弦楽団、1986年録音 <Grammophon>
・ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮、ベルリンフィルハーモニー管弦楽団、1971年録音 <SERAPHIM>
・フェレンツ・フリッチャイ指揮、ベルリン放送交響楽団 <Grammophon>
・エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮、レニングラードフィルハーモニー管弦楽団 <Grammophon>
・ヘルマン・アーベントロート指揮、ライプツィヒ放送交響楽団 <Dutsche Schallplatten>
この曲を十八番とするカラヤンの盤は入門者向きの名演奏で、別の機会にこのブログで取り上げたいと思っている。