中に神泉苑とつながっていると言われる泉(龍穴)をもつ本殿
疫病調伏のため祈られた龍神が、逆に疫病をもたらす神と習合する。正反対のようだが、実は「疫病」に対して力を持っているという点においては同じなのだ。つまり疫病を調伏する神に「疫病から救って下さい」と祈ることと、疫病をもたらす神に「もたらさないでください」と祈るは同じなのである。そこで龍神が牛頭天王と習合する。
牛頭天王の伝説はこんな感じだ。
牛頭天王が妃を求めて南に行く途中、旅に疲れ、小丹長者に宿を求めた。しかし心の狭い小丹長者はこれを拒否、一族を挙げて牛頭天王を追い出してしまう。次に蘇民将来という貧しい人のところで宿を求める。貧しいのでロクなもてなしはできないが、と謙遜しつつ最大限のもてなしをする蘇民将来に対して、牛頭天王は妃を求めた帰りに疫病神となって小丹長者を滅ぼしてやる、と言う。小丹長者に娘を嫁がせている蘇民将来は「娘だけは助けて下さい」と願う。では目印に茅の輪(柳の枝、桃の木などの伝承も多い)で「蘇民将来子孫」というお札をつけておけ、と命じ、南で妃を得、八人の王子を連れて小丹長者を滅ぼすのである。
そこで疫病を避けようと願う人々は「蘇民将来」の札を買い求めたり、茅の輪くぐりを行うのだ。
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