毎日が観光

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パリの東京通り

2005年06月17日 15時17分57秒 | らくがき
 パリの街で感心するのはタクシー。東京と違って番地を言えば間違いなくそこへ連れて行ってもらえます(ロンドンもそう)。番地は道路名とセットになっていて、人一人がようやく通れそうな小さな道にもちゃんと名前がついているんです。ちなみに「日本通り」もあります。昔は「東京通り」もパリにありました。廃止されたのが1945年。
 へ? とお思いになった方、あなたはなかなか鋭い。だって、戦争中は「東京通り」があったのに、終戦の年に「東京」の文字が外されたなんて、ちょっとおかしいと思いません? フランスは第二次世界大戦では連合国に属していて、イギリスやアメリカとともに日本と戦ったはずだろが、と。
 実はそこにフランスのねじれがあるんです。フランスは首相ペタンがドイツと休戦し、北部・西部をドイツ軍に占領されますが、残る部分はフランス国として独立しました(イギリス以外の国はフランス国を承認。これも知られていませんせが、アメリカと国交さえあったのです)。で、そのフランス軍と日本軍はインドシナの空戦でフランス機が2機撃墜されたのと、日本の使節とフランス軍との間の協定を知らない関東軍の攻撃があったぐらいですぐに停戦になりました。仏領インドシナは日本軍が占領し、フランスが統治する、という日仏の不思議な共存状態が続いていたのです。この関係は、日本とヴィシー政権との協定無効をド・ゴールが宣言し、日本軍によるインドシナ政庁クー・デターの起こる1945年まで続いていました。
 いつか、パリに再び「東京通り」ができることを願ってます(だって、京都広場はあるんだよ)。
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