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全館輻射熱冷暖房住宅システムの開発者・福地建装・代表取締役会長
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温暖地ほど断熱材を・・・岡山~東京

2006年05月17日 19時52分38秒 | Weblog
写真は弊社、東京事務所前にある浜松町の世界貿易センターです。
今朝、瀬戸内の岡山は強い雨が降っておりましたが、どうやらこの雨を東京まで運んできたようです。東京も雨が降って参りました。北海道の北の方ではまだ桜も咲いていないのに本州は既に梅雨の兆しです。家づくりも寒さ対応の北海道と暑さ対応の本州では視点を変える必要があり、北海道の家を本州に持って来ても通用しないのです。

日本の断熱基準によりますと日本列島を南下するほど断熱材の厚さを薄くなるようになっております。まったくナンセンスな基準です。寒冷地は冬の期間が8ヶ月に及びますので、断熱材を厚くするのは当然・・・しかし、温暖地は冬の期間も短くて気温も氷点下になる日が少ないので過剰断熱を行う必要がないと言う事が理由です。

果たしてそうでしょうか・・・全然、実状を知らない一部の学識者の思い入れに過ぎません。南下するほど太陽高度が高まり、屋根を真上に近いところから熱するため屋根瓦が100度にもなり小屋裏の気温は80度近くにも上昇するのです。ところが天井の上の断熱材が国の指導で薄くなっているため、その膨大な熱が輻射となって室内の仕上げ材、梁、柱などに蓄熱されます。その熱がまたまた輻射で室内に放熱され、エアコンの負加熱量を増大させます。しかもエアコンを最もエネルギー消費効率の悪い温度域で稼動させるため、消費するエネルギーが倍増するのです。

天井裏の断熱材は、むしろ寒冷地より温暖地の方を厚くする事がエアコン省エネの絶対要件となります。国の基準は目安であり、断熱材を厚くして不都合な事などまったくありませんので、これからの新築やリフォームでは天井断熱材を厚くする対応を行いましょう。
もともと天井断熱材を厚くする事に費用などは殆どかかりません。その上、およそ7ヶ月に及ぶ冷房期間で大幅な冷房省エネをはかり、CO2削減にも寄与いたします。更にもっと効果的なのが、クオリティーの非常に高い冷房空間をつくる事が出来るのです。

家の性能とエアコンの稼動メカニズムが大きく関わっています。
日本の指導機関は役所と同じで縦割り行政・・・基礎はその道の学者、木材もその学者、断熱と気密の学者が異なり、エアコンのメカニズムとなると完全に分野が異なるのです。
分野の異なる事に関心を示さないのが風習のようです。
しかし、家は地盤、基礎、構造、開口部、断熱、気密、換気、そしてエアコンなどの設備機器がバダンスよく機能されて家の性能を担っているのです。

私達はこのような学識者の研究文献を参考して技術開発を行います。しかし、家づくりの全てに関わっている学識経験の無い私達の方が幅広い分野で失敗事例をたくさん持っています。失敗事例は失敗しないための知恵と工夫を生み出します。
つまり中卒も博士なみ・・・これを自我自讃という・・・
明日は東京都内で専用部材研修会を開催しますが雨が降り続けば岡山から雨を運んで来た自分の責任かな・・・
ファースの家

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