毎朝更新の携帯ブログ

全館輻射熱冷暖房住宅システムの開発者・福地建装・代表取締役会長
福地脩悦の毎日更新の携帯ブログです。

机上理論と現場事情との乖離…北斗市

2007年09月08日 17時53分11秒 | Weblog
グラスウール断熱材は乾燥した空気を静止させる事でその効果を発揮します。
そのため壁の中に挿入するグラスウールは、内側の壁材にぴったりとくっついていなければなりません。その施工法にも内側にぴったりとくっつけるようにと記載があります。
外壁に入れるグラスウールは、雨天などと考えれば当然、外壁材が取り付けられてからの施工になり、内側から断熱材を入れ、その上から内装材を打ち付けます。
図面に描けば、その内側にぴったりくっつくように記載できますが実際の現場施工で図面に描いたような施工など絶対に出来ないのです。

足場の上で実際に施工を行った人なら、そのような施工仕様などを作りません。
壁体内の空隙より小さいサイズのグラスウール自体に問題があるのです。
断熱壁は、空隙をつくる事なく壁体内全てがグラスウールなどの断熱材で完全に埋まっていなければなりません。グラスウールに限らず新建材の施工概要説明書にも現場施工において無理の生ずる方法が書かれているものを多く目にします。

工事現場で実際に施工している職人達からどれだけの情報を得ているのか疑問になります。
私も元々現場の職人だったのですが、長いこと現場施工から遠のくと、ついつい現場での生の実態が希薄になる場合があります。
家づくりの真実は全て現場に潜在しています。
実際に施工出来ない図面、仕様書、企画書などの多くが、学卒者などのホワイトカラーによって作られるのしょうか。
彼らが足場に上がって断熱材の施工を行っている姿などを見た事がありません。
高所恐怖症だったり…

建築業界での力関係では、額に汗して作業する労働者より、技術者と言われるホワイトカラーの方が圧倒的に立場が上にあります。
そのため足場の上にいる労働者から、現場に即した貴重な意見を求める寛容性が極端に乏しくなっています。
建築学者が現場作業員の意見を求めるような慣習が出来れば、日本の住宅も諸外国に負けない性能を保持できると思うのですが…

写真は今日の午後、弊社ハウジング事業部でファースの家、施工規準書の改定ミーティングを行いました。
私の隣は研究開発室、次長の村上ですが彼以外、私も含め、向かって右の近江チーフ、真ん中の小泉常務も、4人のうち3人が中卒です。

中卒を自慢しているようにも聞こえますが、足場の上で活動している職人達の意見が中心となってファースの家「施工規準書」が作られています。

今日の土曜日は、台風一過、穏やかな天気になり、濃い紫色の函館山が白い雲を背景にしてくっきりと浮き上がって見えます。
毎日更新「一日ひと知識」をどうぞ参考に
ブログ総集編
北斗市周辺にお住まいを考えの方は
Blog Entry ランキングへ投票