本郷通りと春日通りが交差する「本郷三丁目」の交差点の少し南側に位置するこのビルは、糸屋・越前屋の店舗として大正13(1924)年に建設されたもの。 大正13年という事は関東大震災の翌年という事でもあり、創業者・越前屋惣兵衛からエチソウビルと名付けたのはゼロからの出発に先立って初心を忘れぬ為の決意の表れのようにも思えます。 毛糸類の卸から小売りまでを行い、東京でも屈指の有名な糸屋であったそうですが戦争によって店は閉業、戦後はテナントビルとなって現在に至っています。 東京都文京区本郷2-39-7 11年01月中旬
※参考 『文京・まち再発見 近代建築からのアプローチ』(特別展図録) 1998
本郷通りに東面。 落葉しきった冬場が絶好の鑑賞シーズン。
軒についてる歯型の飾り(デンティル)が特徴的。
良く見ると看板は「ヱチソウ」。 「ヱ」は平仮名の「ゑ」、正確には「うぇちそう」ビルとでも発音するのでせうか。。
「お」と「を」を使い分けるように、「ゑ」は「うぇ」と発音するものと思っていました。
調べてみると現代(13世紀以降?)においては「ゑ」は普通に「え」と発音するのが一般的のようですね。
このビルのオーナーはちょっとした遊び心か洒落っ気でワザと「ヱチソウビル」と表記したのかも知れないですね。
もしかしたらヱビスビールが大好きだったのかも(笑)。
仮名は言葉を覚え始めた幼少時に母や学校で習ったきり、
特に今まで意識もして来ませんでしたが考えてみると結構ややこしいものですね。
「わ行」のほかにも「や行」にも「え」の段があったりするので
この辺の明確な違いを理解するには一筋縄ではいきそうもないです。
何百年もかけて徐々に変化(進化)してきた言葉の重みは大切にしないといけませんねぇ。
私も少し勉強したいです。。。