京品ホテル

2013-07-30 19:27:48 |  東京都


 一日平均で33万人もの乗車人数(2012年度・JR)を誇る品川駅前にかつて存在していたレトロホテル。 早稲田大学教授であった吉田享二(1887~1951)の設計、清水組の施行により昭和5(1930)年に建てられたもので、当初の客室は畳敷きで旅館形式の宿泊施設であったそうです。 戦後は米軍により接収され、その後に室内を和風から洋風へと衣替えして近年までホテルとして営業を続けていました。  東京都港区高輪4-10-20  09年03月中旬

 ※参考『東京 建築懐古録Ⅰ』 1988
    『港区の歴史的建造物』 2006

 ※現存せず。



 第一京浜(国道15号)を挟んで京急・JR両品川駅のほぼ正面という抜群の立地条件にありました。


 吉田享二は戦後に建築学会会長(1949-50)も務めた建築材料学の権威。
 

 内・外観とも度重なる改修を受けており、特に昭和63(1988)年には外壁タイルを含めて室内にも大改装が行われ当初の面影を残すのは階段ホールくらいだったともいわれます。


 平成20(2008)年10月の廃業決定後も従業員達が自主的に営業を続けるという異常事態に発展、従業員達に対する建物明け渡しの強制執行が行われたニュースは記憶にまだ新しい。


 建物は完全に解体され、現在は跡地にパチンコ屋が建つ。