旧近藤邸

2009-06-01 07:05:00 |  神奈川県













 実業家であり朝日石綿工業の社長でもあった近藤賢二氏により藤沢市辻堂東海岸に建てられた別荘(大正14年築 1925)。 ライトに師事した遠藤新(1889~1951)の設計で、水平線が強調されたスタイリッシュな外観とカクカクした(幾何学的な)細部のデザインが特徴的です。
 造りつけの椅子や棚が設けられた室内は機能的で、外観のシャープさから受ける印象よりも住み心地はずっと良さそうです。 個人的には大谷石製の暖炉のある居間と、続きになっている菱形窓のある和室が気に入りました。 大きなお宅ですが2階には和室が1室あるだけなのはちょっと意外な感じ。 建物は老朽化により一度は取り壊しが決まりましたが、保存運動のかいあって昭和56(1981)年に現在地に移築保存。 元は海まで数百メートルの広大な松林の中にありましたが、今は町の真ん中、コンクリートの建物に半ば囲まれてしまっています。 地所を見て自然と融合する建築を旨として建てられただけに、元の場所で保存出来なかったのはちょっぴり残念です(壊されるより遥かにマシですが)。  神奈川県藤沢市鵠沼東8-1  08年09月下旬