エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

照紅葉

2016年11月23日 | ポエム
里も、そろそろ紅葉の鮮やかな候に入る。
その紅葉を陽射しが照らす。
「照紅葉」となる、のである。

誰もが、美しいと合点する刹那である。



過日、関東の名刹「平林寺」の紅葉の下見に出かけた。
従兄に、平林寺の紅葉を見せたいからである。



平林寺の紅葉は、京都の赤に負ける事が無い。
鮮やかな赤なのである。







「屈託の欠片もいらぬ照紅葉」







けれど、今日の紅葉は八ヶ岳の麓である。
三分の一湧水の紅葉だ。



ほんの小さな四阿の屋根に枝垂れかかる紅葉は、見事である。
赤も黄も、季節を告げる。
告げつつ、自らは枯れ果てるのだ。

それが紅葉の美学である。
さらば、秋の光。
徒花となって散りゆけかし。



     荒 野人