エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

二三恵さん哀悼の五句

2016年11月28日 | ポエム
二三恵(ふさえ)さんは、かつてぼくが所属していた俳句結社の副主宰。
同郷ということもあり、様々なシーンで立てて頂いた。

まだ未熟だった野人を、励まし且つ導いてくれた。
具体的な助言を頂いた事は無かったけれど、暖かく優しい視線で励ましてくれたのであった。
逝去され、ご家族で密葬に附された。

昨日、俳句結社が偲ぶ会を催されたと聞いた。
闇雲に外を歩きながら、追悼句を詠んだ。






 二三恵さんを追悼する
   謹んで追悼句五句を捧げん  野 人

「南天の実の優しさよ君逝けり」
「小春日や痛哭の風織り交ぜる」
「一ひらの葉に躓けり冬ざれり」
「名の木枯る足早に逝く君の影」
「冬薔薇語りかけらる耳痒し」

二三恵さんは、きっとこう云っている。
「野人さん、自分の信じる道を歩めば良いのよ!」
と。







南天の実が、身体に沁みてくるように二三恵さんの眼差しが蘇ってくる。
ぼくが結社と縁を切った事、きっと心配してくれたのだろうと思う。
二三恵さんの優しさだろうか、特段に慰留するでもなく見守っていてくれたのだった。

結社を辞した後、一度も話しをした事が無かった。
今では、それで良かったと思っている。



南天の実を残しつつ、雪うさぎを作ろうと思う。
もちろん、南天の実はうさぎの目である。



改めて、白い南天の実を捧げつつ哀悼の誠を捧げる。
二三恵さん、野人はいま何合目まで俳句の山を登ったのでしょうか。
俳句の山を登攀する意欲は、まだ衰えておりません。

結社を辞して以降、無為な時間も多くありました・・・。
いまは、結社「繪硝子」で学んでおります。
和田順子主宰の指導を頂いております。
喜んで頂けると・・・野人は思っております。

「あら、良かったわね!」
と。



     荒 野人