エピローグ

終楽日に向かう日々を、新鮮な感動と限りない憧憬をもって綴る
四季それぞれの徒然の記。

冬バラ再び

2016年11月17日 | ポエム
冬薔薇・・・ふゆそうびを再び語ろう。
昨日の寒さの中で、冬薔薇が天を仰いだ。
空は、誠に妖しげであった。



バラの花弁は、少し汚れている。
神聖なバラの有様である。







「よこしまな空見上げいる冬薔薇」







邪な空。
ぼくは、香り立つバラ園の木の椅子に座った。



しばらくは、句作に励んだのであった。



もう一カ所のテーブルには、柚子が三つ。
蜜柑が二つ。
切り取られた断面は、新鮮であった。

其処から、生木の匂いが立ち上がった。



見上げる空は、冬の空。
邪な空であった。



白い薔薇は、どこまでも無垢であった。
冬薔薇は、いつまでも凛冽である。



     荒 野人