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平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ライアーゲーム 最終話

2007年06月24日 | その他ドラマ
 正直者がバカをみる時代。
 騙しズルいことをしなければ上にあがれない時代。
 最近のニュースをみれば、そんな状況が飛び交っている。
 作品は社会状況の反映。
 この作品も例外ではない。

 メッセージは
★怒りや復讐は連鎖すること
 その当事者の心の中は常に嵐が吹き、少しも休まることのないこと。
★世界中の人たちが善良であれば争いがないこと。みんなが幸せになれること。
 出来れば、善意の連鎖をしたいこと。

 怒りの連鎖の代表は秋山(松田翔太)やヨコヤ(鈴木一真)。
 善意の連鎖の代表は直(戸田恵梨香)。

 この両者は対立する。
 悪は善を騙し、善を愚か者と笑うが、最終的には善良なるものが勝つ。

 この『善良なるものが勝つ』というメッセージには異論があるかもしれない。
 例えば今回のフクナガの改心などはあまり説得力がない。
 善が勝つというメッセージを描かんがために改心させたととらえられても仕方がない。
 逆にフクナガがあそこで改心しなければ、直は負けていた。
 善良なるものが悪に敗北した。
 直に残ったのは借金地獄。
 むしろその方が現実のリアリティに近いのかもしれない。

 しかし一方でドラマは『善良なるものが勝つ』というメッセージを描き続けなくてはならない。
 何故なら『悪』が連鎖するように『善』の連鎖するからだ。
 ちょうど直がまわりの人間を変えていった様に『善』のメッセージは見る者を『善』に変える。
 過去表現者は手を変え品を変え『善良なるものが勝つ』というメッセージを伝え続けるわけであるが、この作品は「ライアーゲーム」というゲームでそれを表現した。
「ライアーゲーム」という騙し合いの中に直という正直者を放り込むことでそれを表現しようとした。
 視聴者は直を「バカだなぁ」「人が良すぎる」と思いながら、直の持っている大事なものに気づかされる。ちょうど秋山らまわりの人物が気づいていった様に。
 それに、もし直が負けて「世の中には騙す人が沢山いるから人を信じるのはやめましょう」ではメッセージにならないし……。


コメント (2)
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