平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

プロポーズ大作戦 第10回

2007年06月19日 | 恋愛ドラマ
 小学校の時、健(山下智久)と礼(長澤まさみ)にはこんなことがあった。
 健がやった鉄棒からのジャンプ。
 礼もチャレンジして怪我。
 病院で腕に包帯を巻いた礼に健は「責任を持つ」と言う。

 さて、ここで9話から謎になっている「健三は何もわかってないよ」という「わかっていないこと」とは?
 それはその鉄棒の事件の時から20歳になるまで想い続けてきた礼の想いだ。
 礼は健が「責任を持つ」と言ってくれたことを覚えていて、健がそれを実行してくれることを望んでいた。もちろん、それは子供の頃のこと、勢いで言ってしまったことだということを礼は知っているが、そのことが彼女の心の中に焼きついている。しかし、健はいつの間にかそれを忘れてしまい……。
 礼の父親(森本レオ)の言う「礼の哀しみ」とは、そんな礼の想いと健とのギャップ。
 それゆえ礼は過去を捨てて、多田(藤木直人)との未来に生きようとしているる。

 この作品には『過去』というモチーフが一本貫かれている。
 タイムスリップして過去をふり返ること自体がそうだが、テーマとして描かれているのは『過去の積み重ねで現在はある』ということだ。
 礼はそのことを十分に理解していて過去にこだわっている。子供の時に言われたことまで覚えている。
 一方、健は(正確に言うとタイムスリップする前の健は)『過去の積み重ねで現在はある』ということに気づかず、過去のことなど忘れて生きてきた。披露宴の写真を見て思い出す程度である。過去の一瞬一瞬をないがしろにして生きてきた。
 ここに健と礼のギャップがある。
 礼は過去のことすべてで健のことが好きで、健はともかく現在の礼を取り戻したい想いで行動している。健は礼が過去を大事にする人間であることがわかっていない。
 健が礼の心を動かす方法は、鉄棒の過去からさかのぼってふたりの気持ちや行き違いを確認することであろう。
 ラストで鉄棒の過去のある小学校に連れて行った健。
 果たして健は何を語るのだろうか?
 鉄棒の過去からさかのぼって自分の気持ちを語るのであろうか?

★追記
 写真スライドによって過去を変えてきた健。
 鶴見尚(濱田岳)とエリ(榮倉奈々)の現在は変わっているのに健の方は変わらないのはなぜか?
 それは鶴が好きだと言い続けていること。
 写真スライドの間の時間も鶴は「好きだ」「つき合いたい」と言い続けていたことだろう。そう想像できる。
 一方、健は写真スライドの間の時間は、過去に行っていないので何もしていない。
 だから礼は「たまに優しくされるだけ」と思ってしまう。
 写真と写真の間に時間があることが健のネックになっていたのだ。


コメント
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