平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

ライアーゲーム 第6・7・8話

2007年06月05日 | その他ドラマ
 敗者復活戦は「リストラゲーム」。
 投票して最下位の者が1億円の負債を負う。
 ゲームの趨勢を決めるのは1億円のMチケット。
 ゲームの最中、プレイヤーはこのMチケットを使ってあらゆるものを買うことが出来る。

 「ライアーゲーム」で描かれていることは現代の縮図である。
 2回戦で「勝ち組」であるのに敗者復活戦に参加した神崎直(戸田恵梨香)。
 ここには「勝ち組」「負け組」の図式。
 まわりの妬みを買い、最下位に落とされ、まわりから無視されるのは「いじめ」。
 直の私物・秋山深一(松田翔太)はMチケットを票と売買することで直をトップにし、ゲームの主導権を握る者にするが、このMチケットの売買こそは資本主義の市場原理。
 10票~7千万で売買されていたものが、2票~7千万に。票集めが熾烈になるに従って2票が一億に。
 ニーズに応じて価格が決められる。
 これはまさに資本主義の市場原理。
 Mチケットという紙切れが1億というのも資本主義っぽい。

 また第8話で直が見破ったライアーゲーム事務局の儲けのからくりもまさに資本家の錬金術。
 彼らは自分たちで作ったルール(5千万でゲームを抜けられる)のもと莫大な金を動かし、利益を得る。
 この場合のルールを現代社会に当てはめると法律。
 「ドラゴン桜」で示されたとおり、「法律」は頭のいい奴が自分たちの利益になる様に作ったルール。このルールを利用して利益をむさぼる。

 この様に「ライアーゲーム」で行われていることは現代社会の縮図である。
 プレイヤーのひとりが言っていた様に「正直者がバカをみる世界」「勝ち組、負け組があって、みんなが幸せになることなんてない世界」。

 それに対して直。
 「みんなが幸せになる方法」を見つけたと言う。
 それは票を売って得た9億円分のMチケット+1位通過者のボーナス1億円。
 この10億をみんなで分配する。
 そうすればみんなは1億の負債を負わなくていい。
 「ライアーゲーム」が資本主義の論理なら、直は「富の分配」という共産主義の論理だ。
 面白い。
 しかし世の中の人間すべてが直の様な人間なら人は平和に暮らせるのだろうが、そうならないのが現実だ。「自分さえよければいいという人間」「人を騙してでも利益を得たいという人間」が山のようにいるから世の中、不幸や争いが絶えない。

 こんな現実を反映しているところが、この作品が支持を集める理由だろう。


コメント
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