第4話「罠の代償」FIRST DOWNのストーリーはこう。
「FBIとは別行動で懸賞金目当てにマイケルたちを追跡するベリックとギアリーは、ついに2人を拘束! しかし、マイケルたちの目的がユタに埋められている500万ドルであることを知ると、警察に差し出さずにユタへ道案内させようとする。家族との国外逃亡を予定していたアブルッチはフィバナッチへの復讐心がどうしても押さえられず、妻の制止を振り切って出かけていく…」(公式HPより)
さて、サスペンス作品の教科書である「プリズンブレイク」。
今回はふたつ。(以下ネタバレです)
★ダブルスパイ
ベリックとギアリーに拘束されたマイケルとリンカーン。
逃走用の車を運んできたニキはマイケルとベリックの間を行き来する。
ベリックには「500万ドルの1/3と交換にマイケルの情報を売る」と言い、マイケルには「ベリックを信用させている最中だ」と言う。
どちらがニキの本心かは視聴者に知らされていない。
こういうニキの様な存在はいわばジョーカー。
どちらに味方するかで形勢が逆転する。
本心がどちらかと言うことで、視聴者はそれを知りたくなる。
実に面白い役回りだ。
結果はニキ、マイケルに味方していたのだが、ラストにはドンデン返しが……。
理由は女心。ニキはマイケルがタンクレディに電話する所を偶然見てしまった。巻き起こる嫉妬。自分は都合のいい女、道具でしかないという想い。
人の心も絡み合って、二転三転していくドラマ。
だからこの作品はサスペンス作品の教科書だ。
★敢えて描かないということ
物語はマイケルたちのエピソードと同時並行で、アブルッチ、トゥイーナの逃走のエピソードが描かれる。
アブルッチは家族と再会するが、フィバナッチの居場所がわかり復讐するためフィバナッチのいる場所へ。
トゥイーナはヒッチハイクでユタへ向かうが、同乗者が疲れたから今日はモーテルへ泊まりたいと言う。
一方、FBIのマホーンは「逃亡者に関する通報者が現れた。最初の逮捕者が出るかもしれない」と言ってモーテルへ向かう。
この時、視聴者には通報者が誰でどこのモーテルにマホーンが向かっているか明らかにされていない。同乗者の行動に不審な点が多いことからトゥイーナの所に向かっていると思わせる仕掛けが施されているが実は……。
マホーンが向かっていたのはアブルッチのいる所だった。
通報者はアブルッチの部下で裏切った。フィバナッチについての偽の情報を流し、アブルッチをおびき寄せたのだ。
敢えて描かないことによる視聴者のミスリードであるが、標的がアブルッチだったとは!! 実に驚かされる。
これで射殺されてしまうアブルッチ。手からこぼれる妻に渡された十字架。
もし彼が妻の忠告に従っていれば家族と幸せに暮らせたかもしれないと思わせる所もミソで、人生の皮肉な分岐点を感じさせる。
前述のニキの「女心」と言い、この作品のスタッフはサスペンスにプラスアルファを加えることを忘れない。
★追記
ダブルスパイ・ニキについてマイケルとリンカーンは議論をする。
「人を信用するかしないか」という議論だ。
この窮地を脱するためにニキを信用するというマイケル。
彼女は裏切っていると考えるリンカーン。
これでふたりの人間性を描写する。
人を信じるマイケルと信じないリンカーン。
その結論は両者痛み分け。
ニキはマイケルを裏切ることなく行動したが、最後には「女心」で裏切った。
ニキがマイケルたちに向けた銃には弾倉が入れられていなかった。弾倉を抜いたのはニキを最後まで信用していなかったリンカーン。
危機を脱するためにはマイケルの信じる心も必要であったし、リンカーンの信じない心も必要であったのだ。
★追記
第3話「スキャン」SCAN は偽装の話。
マイケルは事故で自分たちは死んだことにしようとする。
前半マイケルはある車にこだわるが、何故かこだわるのかは示されない。
その車には事故を偽装するための仕掛けがあったのだが、それは後半になって示される。
これは構成の妙。
言うべき情報を前で出すか後で出すかで違ってくる。
「FBIとは別行動で懸賞金目当てにマイケルたちを追跡するベリックとギアリーは、ついに2人を拘束! しかし、マイケルたちの目的がユタに埋められている500万ドルであることを知ると、警察に差し出さずにユタへ道案内させようとする。家族との国外逃亡を予定していたアブルッチはフィバナッチへの復讐心がどうしても押さえられず、妻の制止を振り切って出かけていく…」(公式HPより)
さて、サスペンス作品の教科書である「プリズンブレイク」。
今回はふたつ。(以下ネタバレです)
★ダブルスパイ
ベリックとギアリーに拘束されたマイケルとリンカーン。
逃走用の車を運んできたニキはマイケルとベリックの間を行き来する。
ベリックには「500万ドルの1/3と交換にマイケルの情報を売る」と言い、マイケルには「ベリックを信用させている最中だ」と言う。
どちらがニキの本心かは視聴者に知らされていない。
こういうニキの様な存在はいわばジョーカー。
どちらに味方するかで形勢が逆転する。
本心がどちらかと言うことで、視聴者はそれを知りたくなる。
実に面白い役回りだ。
結果はニキ、マイケルに味方していたのだが、ラストにはドンデン返しが……。
理由は女心。ニキはマイケルがタンクレディに電話する所を偶然見てしまった。巻き起こる嫉妬。自分は都合のいい女、道具でしかないという想い。
人の心も絡み合って、二転三転していくドラマ。
だからこの作品はサスペンス作品の教科書だ。
★敢えて描かないということ
物語はマイケルたちのエピソードと同時並行で、アブルッチ、トゥイーナの逃走のエピソードが描かれる。
アブルッチは家族と再会するが、フィバナッチの居場所がわかり復讐するためフィバナッチのいる場所へ。
トゥイーナはヒッチハイクでユタへ向かうが、同乗者が疲れたから今日はモーテルへ泊まりたいと言う。
一方、FBIのマホーンは「逃亡者に関する通報者が現れた。最初の逮捕者が出るかもしれない」と言ってモーテルへ向かう。
この時、視聴者には通報者が誰でどこのモーテルにマホーンが向かっているか明らかにされていない。同乗者の行動に不審な点が多いことからトゥイーナの所に向かっていると思わせる仕掛けが施されているが実は……。
マホーンが向かっていたのはアブルッチのいる所だった。
通報者はアブルッチの部下で裏切った。フィバナッチについての偽の情報を流し、アブルッチをおびき寄せたのだ。
敢えて描かないことによる視聴者のミスリードであるが、標的がアブルッチだったとは!! 実に驚かされる。
これで射殺されてしまうアブルッチ。手からこぼれる妻に渡された十字架。
もし彼が妻の忠告に従っていれば家族と幸せに暮らせたかもしれないと思わせる所もミソで、人生の皮肉な分岐点を感じさせる。
前述のニキの「女心」と言い、この作品のスタッフはサスペンスにプラスアルファを加えることを忘れない。
★追記
ダブルスパイ・ニキについてマイケルとリンカーンは議論をする。
「人を信用するかしないか」という議論だ。
この窮地を脱するためにニキを信用するというマイケル。
彼女は裏切っていると考えるリンカーン。
これでふたりの人間性を描写する。
人を信じるマイケルと信じないリンカーン。
その結論は両者痛み分け。
ニキはマイケルを裏切ることなく行動したが、最後には「女心」で裏切った。
ニキがマイケルたちに向けた銃には弾倉が入れられていなかった。弾倉を抜いたのはニキを最後まで信用していなかったリンカーン。
危機を脱するためにはマイケルの信じる心も必要であったし、リンカーンの信じない心も必要であったのだ。
★追記
第3話「スキャン」SCAN は偽装の話。
マイケルは事故で自分たちは死んだことにしようとする。
前半マイケルはある車にこだわるが、何故かこだわるのかは示されない。
その車には事故を偽装するための仕掛けがあったのだが、それは後半になって示される。
これは構成の妙。
言うべき情報を前で出すか後で出すかで違ってくる。