Bパートは翌朝。作業まえ、向かい合って相互の安全確認をする男性隊員たちのようすからスタート。
キマリたちは弓子の手伝いで、食糧庫から冷凍チキン、シーフードなどの箱を運び出す。そのあと、キマリ・日向はチキンの解凍を頼まれ、適当な場所を探して基地内やら周辺をうろうろ。
このツーショットは久しぶり
報瀬・結月はひきつづき弓子を補佐してケーキづくり。クリスマスの時季なのだ。「基地での暮らしで重要なのは食事とイベント。限られた空間で、単調な生活が続くからね」と弓子。できあがったのち、外ではたらく隊員たちに差し入れにいく。
このツーショットは珍しい……というより初めてだ。結月はここでも浮かぬ顔。「これって、いうなれば誕生日のお祝いですよね……不公平じゃないですか……誕生日は等しく訪れるのに、お祝いしてもらえる人として貰えない人がいるなんて……」 そんな結月を気遣わしげに見つめる報瀬
そのとき、結月の歌う「フォローバックが止まらない」が聴こえてくる。結月のファンである氷見(敏夫と仲のいい人)がCDをかけているのだ。ようやく結月の顔が明るくなる。
夕刻。管理棟にて、4人そろったところで結月が、ドラマの仕事を受けることにした、という。「楽しみにしてくれてる人もいるはずだって思って……」 そりゃそうだ、と喜ぶキマリたち。
ここからがモンダイである。おもむろに結月が「友達誓約書」なるものを差し出す。「これ、書いてくれませんか? これがあれば、この旅が終って、一緒にいない時間のほうが増えても、大丈夫かなって」
友達誓約書。
文面は以下のとおり。
1 私、白石結月とあなたは、友達である、ということを約束してください
2 この旅が終わったとしても、私たちの友情は絶対に終わらない、と約束してください
3 どんなに距離が離れていても、私たちは友達であり続けると約束してください
4 どれだけの時間私と会えなくても、私と友達であり続けると約束してください
5 もしも時間を合わせることができたなら、何があっても必ず会う、と約束してください
日向はオトナだから、ふつうに困惑する。「あのなあ……」
報瀬は純粋なので、ひたすら真面目に応対する。「こんなの意味ない。私、一人きりだったからわかる。こんなことしても……」
そして、並外れて共感能力の高いこの人は……
報瀬のことばを遮って、
う……うう……
ごめん、ごめんね
わかんないんだよね
わかんないんだもんね……。あーんあん。あーんあんあん
じぶんがぼんやり想像してたより、けっこうマジでこの子はやばかった。そうか、「生まれてから一度も友達がいなかった」というのは、こういうことなんだ。こういうものを書いてしまうということなんだ。
そこをわかっていなかった、そこまでわかってあげられなかったことが悲しくて、そういうものを書いてしまう結月が悲しくて、泣きながら「ごめんね」と詫びるキマリはどこまでも優しい。第3話、出会って初めて4人ファミレスで言葉を交わしたとき以来2度めの抱擁である。