ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

汚れなき祈り

2013-03-13 23:23:06 | か行

ルーマニアの修道院で起きた
実話を基にした作品です。

「汚れなき祈り」58点★★★

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現代のルーマニア。

ドイツで暮らす若い女性アリーナ(クリスティナ・フルトゥル)が
ルーマニアの田舎の修道院で暮らす
ヴォイキツァ(コスミナ・ストラタン)を訪ねてくる。

二人は同じ孤児院出身で、
かつては恋人同士だった。

アリーナは「また一緒に暮らそう」とヴォイキツアを誘うが、
彼女はいまや信仰に身を捧げていた。

そんなヴォイキツアに失望したアリーナは
夜中、突然興奮状態に陥る。

神父たちは彼女の奇行を「悪魔憑き」だと考えるが――?!

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2005年、ルーマニア正教会の修道院で実際に起こった
「悪魔憑き事件」を題材にした作品。


といってもオカルト話ではなく、
二人の女性の愛と別離を描いたドラマです。

ジャーナリストのノンフィクション・ノベルが基だそうで
けっこう興味を持ってました。

でも
正直、ちょっと想像と違いました。

信仰とはなにか?
信じる人とそうでない人の心や見えるものの違い、とか
そういう方向なのかなと思ったんですが

意外にシンプルに
執着心の強い女性による
ストーカー話のような感じ(苦笑)。

悪魔憑き、とされるアリーナの不安定さは
明らかに精神疾患に見えるけど


医師にも周囲にも「面倒な人」にされ
結局、受け入れてくれるのは
元カノだけ。

彼女もやんわり関係は断りつつも、アリーナを受け入れるのは
“信仰”という縛りもあるだろうけど、
結局、性格なのかなあと思うし。

それに
「信仰に身を捧げて」もちょっと微妙な感じなんだけど
そのあたりは、あまり深追いされない。

となると、2時間32分の長丁場を耐えるにはきつかった。

ルーマニア正教会という宗教の背景とか
もっと知ってると、よりおもしろいのかもしれないけど、

ワシには
題材へのアプローチの仕方を間違えたのかなあという
印象が残りました。


★3/16(土)からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。

「汚れなき祈り」公式サイト

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