ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ミスター・ノーバディ

2011-05-01 22:17:56 | ま行

「トト・ザ・ヒーロー」「八日目」の監督、
13年ぶりの新作です。


「ミスター・ノーバディ」51点★★


2092年の近未来。

真っ白な部屋で
眠りから覚めたニモ(ジャレッド・レト)は
自分が何者かの記憶がない。

が、鏡を見て愕然とする。
なんと鏡に映ってるのはしわくちゃの
ジジイではないか!

周囲の人々はニモが118歳で、
しかも
「唯一、死ぬことのできる人間」だという。

いったい、どういうことなのか?

混乱するニモの元に
一人の新聞記者がインタビューにやってくる。

その質問に答えるうちに、
ニモの記憶はだんだんと過去をさかのぼってゆき――。



脚本に6年、撮影と編集に2年……
うーん、これはちょっと
こねくり回しすぎちゃったかな。


118歳の老人が
過去の記憶をさかのぼる、のはいいんだけど、

その過去自体が
「あのとき、ああしていたら……」で、
複数に分岐していくんですね。


複雑な構造だけど
基本的な骨組みはしっかりしているので
難解なわけじゃないんですが、


とにかく
何度も何度も主人公が死んだり、
人生をやり直したりするので、
見ていて疲れちゃいました(笑)


夢から覚めた夢って、
繰り返されると、けっこうしんどいんですよね……。


ただ
巻き戻る時間の表現や
ハッと印象的な色づかい、シュールな映像など、
特異な映画体験ではあります。


これは
数学的な頭脳の持ち主か、
はたまた
サイエンス好きの頭のなかを
時間をたっぷりかけて形にした、
という感じなのかもしれません。


こういう映画だ、という
予備知識を持って見ることをおすすめします。


★4/30からヒューマントラストシネマ渋谷ほかで公開中。

「ミスター・ノーバディ」公式サイト

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