ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ブリッジ・オブ・スパイ

2016-01-04 23:51:00 | は行

2016年、あけましておめでとうございます!
今年もぽつお番長をよろしくお願いいたします。

で、新年一発目はこちら。


「ブリッジ・オブ・スパイ」71点★★★★


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アメリカとソ連が冷戦状態にあった1957年。

ニューヨークに住む
アベル(マーク・ライランス)は
ソ連のスパイとしてFBIに捉えられる。

アメリカ全土が「対ソ意識」から
アベルを憎悪するなか


アベルの弁護士として
政治とは無関係のドノヴァン(トム・ハンクス)が選ばれる。

最初は躊躇したものの
「どんな人間にも等しく公平な裁判を受ける権利がある!」という正義心から
アベルの弁護を引き受けたドノヴァンだったが――?!


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スティーヴン・スピルバーグ監督×コーエン兄弟(&マット・チャーマン)脚本による
実話の映画化です。

このポルタ―からは100%の人が
「トム・ハンクスがスパイなんだ」と思うよね?
しかし、トム・ハンクスは弁護士なのだった(笑)


さらに実話と聞いていたので
マジメで大事な話でも、面白みには欠けるのかなあと思っていたら
さすが、スピルバーグ監督!
この題材をエンターテインメントに仕上げてくるんですねえ。

さらにコーエン兄弟の脚本による
登場人物のキャラの立たせ方や、黒くとも「プッ」と笑ってしまう会話などが
うまくかみ合っていて

娯楽性を保ちつつ
人権やヒューマニズムを考えさせる。

と、まあいろいろ
予想外でおもしろかったっす。


まず前半は「ガッシリした裁判もの」。

ソ連のスパイとして逮捕されたアベルを
正義感溢れる弁護士ドノヴァンがどう弁護するか、が見もので

さらに後半は舞台を東ベルリンに移し、
いままさに「ベルリンの壁が作られている現場」という
映像では見たことのない状況を描き

とたんに
スリリングなタッチに変化する。

この緩急の妙がいいんです。


なによりスパイものに付きものである
「奥歯に物が挟まった」会話や
各国のビミョーな駆け引きなど

複雑な話をサクサクさばいたのも
すごいなと思いました。


しかしトム・ハンクスのイメージって
どんだけ「正義!」になっていくんかなあと。
そのイメージを逆手にとった役にも期待したいなあと。

次の作品はC.イーストウッド監督が
あのハドソン川の奇跡を描く「サリー(Sully)」(原題)らしく
楽しみですねえ。


★1/8(金)から全国で公開。

「ブリッジ・オブ・スパイ」公式サイト

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