動物好きとして正直、
「苦手な題材やなー」と思ったんですが
それを超えて端正に、精悍に作られた良作でした。
「ハンター」73点★★★★
フリーで危険な仕事も請け負う
孤独な“ハンター”マーティン(ウィレム・デフォー)に
ある製薬会社から依頼が舞い込む。
オーストラリアのタスマニアで
絶滅したと言われるタスマニアタイガーの
生体サンプルを取ってこいというもの。
一人山奥に赴いた彼は
静かに黙々と依頼を実行しようとするが、
そこに
思いもかけぬ邪魔が入り――?!
気持ちがスッと締まるような映画。
目的遂行のために、正確に地道に物事を積み重ねるハンターの
その所作も、仕事への真摯な姿勢も美しく
タスマニアの美しく冷たい空気のなかで、
キーンと思考が冴えてくる感覚を味わいました。
タスマニアタイガーの調査者を装って
現地入りしたハンターは、
閉鎖的な田舎で静かに監視され、
姿の見えない敵から攻撃される。
嫌がらせは誰のせいなのか?誰が真の敵なのか?
静かながら重苦しい緊張が続き、
ハンターとともに、息を潜めて自然のなかに
身を潜めるような気分になる。
物語の歩みも、ハンターの徒歩のテンポになぞらえてあり、
見るうちに自然と
そこに息づく動物の美しさに畏敬を感じ
敬意を払う気持ちにも同調する。
さらに
我々が単純に「善いこと」と考えがちな
環境保護についても、別の側面を見せ、考えさせる。
(もちろん、保護したほうがいいと思うけどさ!)
なかなかに深いっす。
仙人のような風貌で自然と対峙する
ウィレム・デフォーが見事。
ひとつ注文つけるならば
ハンターに名前はいらなかった気がする。
そのほうが映画を
よりクリアにする気がします。
★2/4(土)から丸の内ルーブルほか全国で公開。
「ハンター」公式サイト
チャチャいれんなー!
イケメンくんとごぶさたなのか。
ちょっと距離を置いてみようかと。