ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ヘレディタリー/継承

2018-11-27 23:13:52 | は行

 

現代ホラー、これが最前線。

 

「ヘレディタリー/継承」71点★★★★

 

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緑の中に建つ、重厚かつモダンな一軒屋。

その家で、グラハム家の祖母・エレンが亡くなった。

 

娘であるアニー・グラハム(トニ・コレット)は

夫(ガブリエル・バーン)、高校生の息子(アレックス・ウォルフ)、

そして

人付き合いが苦手な娘(ミリー・シャピロ)と粛々と葬儀を行う。

 

が、その日から奇妙な出来事が一家に頻発する。

部屋に出没する不思議な光、話し声――。

 

そんななか、一家に最悪の事件が起こる――!

 

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全米で大絶賛!

洗練かつ古典も感じる新世代ホラーです。

 

冒頭、ドールハウスを使った映像表現に引きずり込まれ、

これが、この映画の最大のキモだとワシは思う。

 

このミニチュア模型の世界と、現実の空間が交じる

“場”つくりと、その映像表現が実に魅力的なんですねえ。

基本「家」で起こる異変が恐怖のベースなので

この場つくりが非常に大きいのだ。

 

で、お話はというと

一家の祖母が亡くなり、その娘(トニ・コレット)と家族に

異変が起きていく――というもの。

 

洗練のなかに

「後ろに何かが・・・・・・!」古典的なギャッ!と驚かしの手法を盛り込んでいる。

ただ、それもすごく直截というよりは、やんわりソフトで、

そのへんにもセンスを感じます。

 

そして

この人がいれば、な映画クオリティ担保の一人、トニ・コレットが

めちゃくちゃいいダシ、出してます。

 

奇しくも同週公開の「マダムのおかしな晩餐会」

超・ビューティーなマダムを演じてますので

ぜひ、見比べていただきたい!

 

ただ、ですね。

ホラーって、好きなんですが

最後、納得できることが少ないのがワシ。

これも「結局、こういうことだったのか?」と「?」が残りまくりですが

タイトルが非常に大きなヒント、ということでしょうね。

 

★11/30(土)からTOHOシネマズ 日比谷ほか全国で公開。

「ヘレディタリー/継承」公式サイト

コメント
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