ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ぼけますから、よろしくお願いします。

2018-11-02 23:13:38 | は行

 

ああ、これ、うちの両親だ!

と、笑いながら涙が(笑)

 

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「ぼけますから、よろしくお願いします。」77点★★★★

 

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広島県呉市で

95歳のお父さんが、86歳の認知症のお母さんと暮らす。

その日々を、東京で暮らす一人娘である監督が撮ったドキュメンタリーです。

 

映画いっぱいに愛がこぼれて、受け切れないほどで

ニコニコ笑いながらボロ泣きしてしまいました。

 

 

なんといっても

お父さんが素敵すぎる!お母さんが可愛らしすぎる。

悲壮でなく、ユーモアに溢れているところも素晴らしく、

そして一人娘でいながら独身、という監督の状況も、我が身に近すぎて泣ける(泣)

 

 

はじまりは2014年。

いつもニコニコと明るく社交的なお母さんが、

アルツハイマー型認知症と診断される。

 

そして90歳を超えたお父さんが、お母さんを支えながらの

日々をスタートさせる。

 

といっても、お父さんも高齢ゆえ、

ちょっと歩くのも休み休み。

しかし、しんどくても、気力で「よいっしよ」と前に進み、

買い物をし、ご飯を作り、裁縫までこなすようになる。

 

そんな二人を見つめる監督の視線は、たしかに娘のものではあるんだけど、

決定的に「客観的な」スタンスも持っており、

そこがこの映画のキモでもある。

 

ゆえにプッと笑いもおきるし、

夫婦がお互いを必要としているさま、そこに醸し出される波長が

何でもないツーショットからもにじみ出て

おもわず笑い泣きしてしまうんです。

 

布団からお父さんに手を伸ばす、

お母さんのシーンも、うーんグッとくる・・・・・・(笑泣)。

 

 

ここにあるのは、誰もに、決して他人事ではない出来事。

そして誰もが記録したくても、出来なかった

自分の両親の「記録」なのかもしれない。

 

勇気と笑いと、力をもらえる

見るべきドキュメンタリーです。

 

 

そして

おなじみ「AERA」にて

信友直子監督にインタビューをさせていただきました。

AERAdotでも読むことができます。

映画と併せて、ぜひご参考ください!

 

★11/3(土)からポレポレ東中野ほか全国順次公開。

「ぼけますから、よろしくお願いします。」公式サイト

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