これはゲイリー・オールドマン、ゴールデン・グローブ賞、そして
アカデミー賞受賞も当然だわ。
「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」71点★★★★
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1940年、5月。
ナチス・ドイツの脅威にさらされているイギリスで
前首相が不信任とされた。
次期首相に任命されたのは
ウィンストン・チャーチル(ゲイリー・オールドマン)。
朝からスコッチを飲み、ズケズケ&ズバズバな物言いで
“変人”で“政界の嫌われ者”な彼は
最大の危機にあるイギリス、そして世界の状況を
どう舵取りするのか――?
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これはやっぱり
ゲイリー・オールドマンに魅せられますねえ!
まったく別人、ものすごい迫力、ものすごい変身ぶり。
もちろんそれだけでなく、
チャーチルが数々の名言を残した「言葉の人」なのだと、よくわかるのも
この映画のよさ。
前半の、会議・会議の応酬で
口撃戦についていくのがちょっと大変だけど
しかし後半、
劣勢のイギリス軍にあまりにも犠牲が多くなり、
ドイツとの和平交渉に傾きかけた議会で、
「最後まで戦い抜く!」と、意志を貫くところは超ドラマチック。
ジョー・ライト監督ってやっぱり
古きもの、歴史をドラマチックに演出するのがうまい人なんですよね。
それにあの
ダンケルクの戦いの裏で、
こんな政治が行われていたのか!と思うと
つくづく「ダンケルク」はキーポイントなのだと。
和平を選ばないチャーチルのやり方って
戦意を鼓舞するという面では諸刃の剣の怖さはあるけれど、
でもこれがいまに続く結果だ、という真実にもハッとする。
ドイツと交渉する派だったハリファックスが首相になっていたら……
いま、ここにある世界とは、違う世界だったんだな、と思うと
怖いし。
歴史っていろんなことを教えてくれている、
そしてそこから、学び、考えねばならないなと
しみじみ感じました。
★3/30(金)から全国で公開。