ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ピエロがお前を嘲笑う

2015-09-10 23:35:29 | は行

こういうドイツ映画もあるんだーという。


「ピエロがお前を嘲笑う」70点★★★★


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警察に出頭してきた
気弱そうな青年ベンヤミン(トム・シリング)。

彼は実は天才ハッカーであり、
世間を騒がせ、殺人事件への関与も疑われている
ハッカー集団の主要メンバーだった。

彼はいったい、何をしたのか?

捜査官(トリーヌ・ディルホム)に
ベンヤミンが語り始める物語とは――?


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ハッカー集団を描いた
スリリングなドイツ映画。

ピエロとか出てくると印象がホラーっぽいけど、
そういうことはなく
コンピューター犯罪を描く、いまどきサスペンス。

しかし
小道具や演出が微妙に古くさかったりする
ちょっと異質な感じが、逆に興味をそそります。


ベンヤミン青年たちハッカー集団のやる“犯罪”は
本来はさほど重罪ではなく
(警察のコピー機を操作して紙を出し尽くす、みたいなね)
行為自体に社会へのメッセージもある感じ。

でも
それをネットで拡散し
たくさんの「いいね!」承認されて
ダークヒーローみたいになっていくと

だんだんシビアな方向になっていき……?という展開。


ハッキングとかバーチャル世界のネタは
本来わかりにくいんだけど

この映画では
結局、相手をだましたり、ハッキングしたりするテクは

=機械操作のテクではなく
現実におけるその人間の
コミュニケーション能力と対人スキルにある、と描いていて、
その持っていきかたも愉快だった。


ただこの映画は
鑑賞前のネタバレ厳禁。

「え?そういうこと?!」という
ヤラレタ感を味わってほしいです。


ところで。
重要な役どころの女性捜査官、
見たことあるよなあ、誰だっけなあと思ってたら
トリーヌ・ディルホム。

スサンネ・ビア監督の
「未来を生きる君たちへ」とか
「愛さえあれば」
あの人だった!


★9/12(土)から新宿武蔵野館ほか全国で公開。

「ピエロがお前を嘲笑う」公式サイト
コメント
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