布施弁天界隈の自然と歴史情報

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相島芸術文化村での蔵講座と松ヶ崎城趾の動向

2008-05-23 | 歴史
先般、本ブログで紹介した柏市指定文化財の松ヶ崎城趾を巡る行政と地権者の言い分を5月21日の千葉日報県西版は、次のように伝えています。お断りしますが要約です。地権者は、「文化財に指定する際に希望する段階で解除するのが前提条件だった」し、2004年の指定後「保存や市民らの公開に向けて個人で、道路改良などの環境整備を行なう一方、市に対し保存への支援を要請。約4年半もの間申し入れてきたが、市は全く動かなかった。」と不信感をあらわにしているそうです。しかも、昨年(2007年)9月には、文化財指定の解除を要請していたが、なんの音沙汰もなかったので、了解したものとし、農地転用へ重機での造成工事に着手したという言い分です。
これに対して市は、5月19日、市の文化財保護委員会が現地を視察した上で、「保存すべき文化財」と結論づけたそうです。そして、市は今後「保存に向けて工事中止を依頼し、有償での借り受けなどを協議する」としているそうです。
柏市(旧柏地区)には中世の城跡はいくつかありますが、市内で唯一、史跡として市の指定文化財となっているのがここ松ヶ崎城趾だけなのです。残さないで良いと思っている市民は誰一人もいないでしょうね。個人の財産のまま、行政が個人の財産を文化財とすることの難しさを、今回の事件は示していると思いますが、良い形での解決を心から願わざるを得ません。
さて、隣の我孫子市の相島芸術文化村は、この辺のことを井上村長が読み切り、決して、指定文化財にはしなかったようですね。私財の持ち出しを承知の上で、個人の財産のまま、昨年の暮れに、国の指定文化財でなく、有形登録文化財に登録されたのです。この登録は、指定とは違い登録された構築物を活用した有料のイベント等を行なうことが出来るそうです。
そこで、今回紹介する相島芸術文化村のイベントは、初めての、第1回目の蔵講座で、登録された9つのうちの一つである新土蔵(月光倉ギャラリー)を使用して開催されます。では、早速、以下のその概要を紹介します。
開催日時     平成20年7月5日(土) 12時~16時
開催場所     相島芸術文化村・昭和米倉(月光倉ギャラリー)
           (所在地:我孫子市相島新田1)
演   題     登録有形文化財・井上家住宅
講   師     (第1部)  長岡造形大学名誉教授・工学博士 宮沢智士氏
           (第2部)  東京芸術大学客員教授 日塔和彦氏
講演スケジュール
          12:00  入村受付
          12:10  軽食タイム
                 (相島ブランドコシヒカリおにぎり)
          12:40  開催ご挨拶
          12:50  第1部 講演(宮沢先生)
          13:50  休 憩(10分間)
          14:00  第2部 講演(日塔先生)
          14:10  質疑応答
          16:00  解散
定   員     先着60名
費   用     1,000円(相島おにぎり付)
主   催     我孫子市教育委員会 相島芸術文化村
後   援     我孫子の文化を守る会
チケット販売   相島芸術文化村にて販売中 TEL:04-7189-2864
問い合せ     同上
その他       広い無料の駐車場がありますので、車での来場も大丈夫です。
最後に、写真の会場となる新土蔵(ギャラリー月光倉)について少し紹介しますが、この倉は、国土の歴史的景観に寄与しているものという事で登録有形文化財として登録された9つのうちのひとつです。築造年代は、昭和6年9月 (1930年)。施主は、井上二郎 (12代)で、用途は、相島干拓完成による収穫米貯蔵のための倉だったそうです。現在はサロン、演奏会場として活用し、貸し出し可能とのこと。
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