我孫子市制50周年を記念して、教育委員会の「我孫子を知る1年」シリーズの企画として、市民が寄贈した資料の展示を行います。杉村楚人冠の影響を最も強く受けた我孫子の人々といえば、俳句結社湖畔吟社の会員たちです。これらの寄贈資料を通じて、我孫子の人々と杉村楚人冠の結びつきを感じてみてはいかがでしょうか。
開催期間 9月27日(日)まで
開催時間 9:00~16:30(入館は16:00まで)
開催場所 杉村楚人冠記念館
※所在地:我孫子市緑2-5-5
TEL:04-7182-8578
休館日 毎週月曜日(月曜が休日の場合は直後の平日)
12月29日~1月3日
※資料の整理・保全のため、臨時に休館することがあります。
内 容 <河村蜻山と有地紫芳>
湖畔吟社に客員として参加していたのが、当時我孫子に住み、作陶に励んでいた陶芸家河村蜻山です。
河村は会員の青年たちと親しく交わり、頼まれて作品を焼くこともあったそうです。
そのひとつである主要な会員の一人であった小熊甚左の郵便局長就任を祝い、会員たちが我孫子の城山付近で
とってきた土を持ち込んで、焼いてもらったものだということがわかっています。
湖畔吟社と河村の交流の証です。なお、城山とは現在の国道6号線の並木付近です。
<河村蜻山 画 有地紫芳 賛 色紙>
杉村楚人冠が交流を持った俳人たちは数多くいますが、そのなかでただ一人、楚人冠が湖畔吟社に呼んできたのが、
有地紫芳という人です。東京朝日新聞では楚人冠の部下でしたが、俳人として楚人冠が尊敬していた人です。
色紙は河村蜻山の書いた徳利の絵に、有地が賛をつけたものです。
湖畔吟社は我孫子の青年たちと、河村、有地という文化人を結ぶ場にもなっていたのです。
<楚人冠の遺墨>
「先生」と慕っていた杉村楚人冠に揮毫してもらった遺墨を、会員たちは大事に所蔵していました。そのうちわには、
「一貫の身と膝たたく裸かな」という楚人冠の俳句が書かれています。
揮毫といえば紙や絹に書いて、軸や額、色紙として飾ることが多いなか、うちわに書いている珍しいものです。
<継がれていった文化>
杉村楚人冠の没後、湖畔吟社には活動が中断した時期がありましたが、その間も東京の俳句雑誌に投稿活動をする会員や、
自分で俳句集をつくる会員がいるなど、文化は継承されていきました。
今回は寄贈資料から、その時期のものも展示しています。
天王台駅前にあった荒井書店で発行した句集「吾亦紅」ですが、この活動が湖畔吟社再開に結びついていきました。
対 象 どなたでも
費 用 一般300/高校生・大学生200円
中学生以下無料
主 催 我孫子市教育委員会 生涯学習部 杉村楚人冠記念館
問い合せ TEL:04-7182-8578