婆さんが行く

婆さんの食卓とワンコ

湯気の向こう

2024-03-08 15:00:48 | Weblog
わずかな時間の昼時、犬を抱いて同じ場所に座ってたわいもないことを話しかけています。
「飛行機が飛んでいるね」
「カラスが鳴いているよ」
「何の匂いがしているのかな?」
愛犬は、耳をダンボのように思いっきり広げて鼻をヒクヒクさせて外の情報を集めているようだ。
ふと目の前に視線をやるとバイモの蕾ができていた。
「いつの間に・・?」
気が付かないうちに出現したようで悔しくなる。
毎年、驚いているから私はとても鈍いのかもしれない。

茶花を見ると束の間、当時のお友達(ほとんどが20歳ほど上)が思い出されます。
茶室の釜が煮えたぎってシュンシュンシューシューと湯気がゆらゆら立ち昇る心地好い空間で
他の方のお点前が終わり「お仕舞いに致します」と声が遠くに聞こえる。
ここはどこかしら?と私は、うつらうつら居眠りをしていました。
お隣の方が体の横をトントン叩いてくれてハッといけない!と気づく。
そんな調子だから自分のお点前の際に何を考えていたのか花入れの銘を聞かれてきっぱりと言ってしまった。
「腕枕でございます」
何を隠そう『旅枕』が正解なのです。
失敗ばかりの私でしたが皆さんがとても優しく補ってくださいまして何があってもお茶の稽古だけは休まず続けることができました。
先生は、私は記憶力が悪く不器用なのだがそんな人は覚えると忘れないから頑張ってねとおっしゃっられた。
そうか・・・と嬉しかった。
ずぅっと褒められたと思っていたがもしかしたらどうも違うような気がする。

バイモの蕾で懐かしい思い出にふけってしまった。

昔の人は、本当に旅に枕を携帯したのだろうか?

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