プロメテウスの政治経済コラム

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パレスチナを強奪したシオニスト政権(イスラエル)の攻撃を即時停止させよ!

2009-01-15 15:58:41 | 政治経済
パレスチナのガザ地区に対する軍事攻撃を強めるイスラエルが、医療従事者や国連学校までをも攻撃対象にしていることや、国際法違反が指摘される居住地区への白リン弾使用の疑いが出ていることなどを受けて、イスラエル国内からも人権団体を中心に、軍の攻撃の違法性を問う動きが出ている(「しんぶん赤旗」2009年1月15日)。ユダヤ人はゲットーやナチスの強制収容所からの解放を目指してたたかってきたはずなのだが、今のイスラエルは「ナチスとたたかう人々」から「ナチスそのもの」へと、「正義」から「悪」へと転換してしまっている。ワルシャワのゲットーから脱出してイスラエルを建国したユダヤ人は、もともと住んでいたパレスチナ人をガザに押し込め、ガザにゲットーを作ってしまった(田中宇の国際ニュース解説「ガザ戦争で逆転する善悪」2009年1月13日)。

圧倒的な軍事力でガザ攻撃を続けるイスラエル軍。クラスター爆弾、劣化ウラン弾、白リン弾などなど、アメリカの援助で手に入れた最新兵器を使ってやりたい放題である。ガザの死傷者はすでに5000人を越えた。しかし武力でパレスチナ人を支配することはできない。強盗には、自己を正当化する大義がないからである。
イスラエルの狂気じみた武力攻撃は、イスラエルの強さではなく、弱さの現われである。米英欧の後ろ盾を失えば、自国が消滅する畏れに対するあせり以外のなにものでもない。ユダヤ人社会にとって特に「イスラエル壊滅」をうたう、南隣ガザのハマス、北隣レバノンのイスラム教シーア派武装組織ヒズボラ、そしてハマスやヒズボラを支援し、核開発を進める東方のイランは、底知れぬ脅威である。イスラエルを敵視するこれら周辺勢力の脅威に対する恐怖が国民の間で広がり、世論調査では、9割近くが軍事行動を支持しているという。

ブッシュ政権は、今回も「自衛のため」としてイスラエルの武力攻撃を容認したが、自ら誓約した中東和平合意の展望を遠ざけ、中東地域での反米感情をますます強固にしただけである。イスラエルを擁護して何度も中東和平の機会をつぶしてきた米国が、9日の即時停戦を求める国連安保理決議に拒否権を行使できなかった。米国一国覇権主義の衰退はここでも明らかだ。
AP通信によると、南米ベネズエラは14日、イスラエルのパレスチナ自治区ガザ地区攻撃に抗議し、イスラエルと断交すると発表した。ボリビアもイスラエルとの断交を同日発表した(「毎日」1月15日12時31分配信)。チャベス大統領はイスラエルを「殺人政府、大虐殺政府」と非難、ベネズエラ駐在のイスラエル大使と外交官7人が今月9日に強制退去させられていた。一方、ボリビアのモラレス大統領は、イスラエルのペレス大統領とオルメルト首相を虐殺の罪で国際刑事裁判所に訴える考えを示した。また、ペレス大統領が94年に受賞したノーベル平和賞をはく奪すべきだと述べた。

中東においても、南米においても、アジアでもアメリカ主導の枠組みから抜け出し新たな秩序を求める動きが強まっている。これらは、反米というよりもアメリカの押し付けやアメリカへの依存から自立し、アメリカが関与しない自分たちだけでの自主的な新たな枠組みを作ろうとする動きである。中東でも、南米でも米軍の存在自体が紛争の火種になるということを認識し始めている。米国との軍事同盟を後生大事にしているのは、アジアの日本と韓国だけである。

「イスラム主義勢力との戦いを口実にガザの市民を大量殺害しているイスラエルは極悪だ」というのがいまや世界の世論になりつつある。
上記の田中宇さんの国際ニュース解説によると、これまでは親イスラエル的だった米国のマスコミが、イスラエル非難の記事を載せ始めた。中東問題に関する極右言論で知られるウォールストリート・ジャーナルでさえ、1月10日に「イスラエルは、ハマスによる小さな攻撃を口実に大規模なガザ侵攻を行い、市民を無差別に攻撃した。これは自衛策として正当化できるものではない。戦争犯罪など、重大な国際法違反である」とする記事を出したという。1月10-11日には、西欧など世界中で、イスラエルの戦争犯罪を非難する市民のデモや集会が開かれ、いくつかの西欧諸都市では10万-20万人規模の市民が集まった。日本でも小規模ながら、大阪などでガザ市民に連帯するイスラエルに対する抗議行動が行われた。

パレスチナ人をガザに閉じ込めるイスラエルは、以前はアパルトヘイトをやっていた南アフリカにたとえられていたが、今ではその「悪さ」はナチス級に格上げされつつある。「ナチス化」したイスラエルは、これまで「ホロコースト」を誇張することで欧米の同情の世論を引きつけたが、いまや世界の「極悪人」となったのだ。

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