今朝(5月16日)の朝日新聞は一面に高松塚古墳の「飛鳥美人」の35年前の写真と現在の写真を対比して掲載している。72年の壁画発見当時の飛鳥美人の絵は、35年経って、カビなどの影響で全体的に汚れた感じであり、黄色、赤色、緑色の衣服の艶は消え、全体的にくすんで見える(「朝日」2007年5月16日)。関西大学考古学研究室の学生を中心に発掘された高松塚古墳は、すぐに、これを主催した奈良県や明日香村の手を離れ、文化庁に全幅の信頼を寄せ移管されたのだった。以後35年間、壁画もそれらを納めた石室もたった一度も公開されたことはなかった(「しんぶん赤旗」2007年4月27日)。「国宝の壁画だから、傷まないよう大切に保存している。保存状態は文化庁がきちんと点検・管理している」という建前であった。ところが、文化庁が04年6月に刊行した写真集を見た朝日新聞が、85年頃撮影の「白虎」が72年の発見時より不鮮明になっていたことに気づき壁画の劣化問題が一気に明るみに出た。当時の壁画の保存科学のレベルから考えて、すべての責任を文化庁に帰すのは酷な面もあるが、組織の縦割りと自己保身、情報の閉鎖性が事態をいっそう悪化させ、関係者の怒りを買った。
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