公務員の仕事に対するモラルはどうなってしまったのか。すべて公務員は、憲法第15条に基づき「全体の奉仕者」として公共の利益のために勤務しなければならない。また憲法第99条に基づき、憲法を尊重し擁護する義務を負う。そしてこのような職務上の義務の代償あるいは職務の公平性を担保するがために、特別に身分が保証されているのだ。公務員は、法定の事由による場合のほかは、職員の意に反して、降任、休職、免職されることはない(国家公務員法第75条第1項、地方公務員法第27条第2項)。ところが、1997年のコンピューター化や基礎年金番号導入に伴う事務処理のなかで生じた記録漏れ5千万件強が10年間そのままになっていたという。職務をまじめに果たしているのかという国民の疑問と怒りは当然である。公務員の身分保障など剥奪してしまえという気持ちもよく理解できる。しかし、国会議員の先生たちが騒ぐ前に、現場担当者の生の声を是非聞きたい。一体どのような事務処理をどんな体制でどのようにやってきて、これからどうするつもりなのか。肝心なことがまったく聞こえてこない。 . . . 本文を読む
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