季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

楽音という雑音

2020年05月18日 | 音楽
以前楽音とは雑音だと書いた。ただし美しく聞こえる雑音。

ピアノにおける雑音の最大は鍵盤が棚板を打つ音なのは説明するまでもない。

では鍵盤は棚板にぶつからないように弾くのが美しく聴こえるのだろうか?これはこれで全く違うのである。

浮ついた音で弾いてはいけないと言われる。その時の音がこの音なのである。

では更にもう一歩前に進んでみよう。

この音は使い物にならない音なのだろうか?それもまた違う。

所謂レジェロはこれに近い。ある時にはこの音そのものである。メロディにおいて、或いはマルカートにおいて浮いた音は
いけないと注意されるのはこうした理由なのだ。

つまるところピアノの音とは様々な雑音の組み合わせだと言える。(棚板を打たぬ音にしてもやはり物理的には雑音であるから)

ひとつ確実に言えることがある。それはハンマーが弦を打つポイントにエネルギーが集中することが極めて大切なのだということ。

それを逃して棚板を打つ力が最大になった時、楽音という雑音は雑音という楽音になり下がるのである。




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