季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

台風一過

2017年10月24日 | その他
台風一過の青空が広がる天気だった。最近では台風の通りすぎた後にこのような青空はついぞ見なかったように思う。気候はいつのまにか随分変わってしまったようだ。

しかしふと思う。子供の頃の台風一過の青空と記憶しているのは本当にそうだったのだろうか?

台風の中、家に閉じ込められ、過ぎ去った後に外へ飛び出して行った開放感が台風一過という語と結びついただけなのかもしれない。

確証はない。確かめる気もない。そんなことをふと思いついて重ねた年月を感じるだけなのである。
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ストラディヴァリ雑感

2017年10月18日 | 音楽
ストラディヴァリウスと現代の楽器を聴衆に聴き比べさせたところ現代の楽器の方が良いという結果が出たそうだ。この結果は正式に論文として発表されるという。

正式な論文、正式な実験といっても結構杜撰なのだな、というのが僕の正直な感想である。

この結論を踏まえてストラディヴァリを売り払って現代の楽器にするあわて者もいないだろうから気を揉む必要はないのだが。

ここでは二つのことが前提とされている。

聴衆は演奏の良し悪しを判断できる。また奏者は良い楽器を正しく演奏できる。この二点だ。

後者については訝る人もあろうか。

良い楽器とはどのような性質を持っているのだろうか?ここではサラブレッドと駄馬、または高性能スポーツカーと一般車を例に出すと分かりやすいだろうか。

サラブレッドは騎手の技倆を察知すると聞く。素人が跨ったところで一歩も動かないことすらあるそうだ。

また僕のように一般的な免許保持者が何千万もする高性能スポーツカーを運転すると、スタートすらままならないようだ。よし走り出したところでノロノロギクシャク前進するばかりで挙げ句の果ては急発進してハンドルを取られて事故になるかもしれない。

それを見ていて高性能スポーツカーよりも一般車の方が高性能ではないか、と言うのは正しいだろうか?

ヴァイオリンやピアノにおいても同じことが起こる。

僕はヴァイオリンについては聞きかじりの知識しかないけれど、ストラディヴァリウスやガルネリウスなどを技倆の足りぬ奏者が弾くとはじかれるような感じがするのだという。

ピアノでも似たようなものだ。良いピアノとは汚い音にもなれる楽器のことだと言っても良い。

そう考えを押し進めてみるとこの実験は何ともお粗末なものだと思えてくる。

軽自動車も60km出るのにスポーツカーでは50kmでガクンガクン走るだけである。性能に差があることに首を傾げる結論が出た。

こんなレポートが出たようなものさ。

ただし付け加えておく。かつてフルニエが来日した折、彼の使用する楽器は所謂名器ではないという記事があった。ハンゼンもヤマハを弾いて素晴らしい響きを作っていた。

間の抜けた実験では何ももたらすことはあるまい、というこれまた間の抜けた結論だけを書いておこう。

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講座の案内

2017年10月12日 | 音楽
間際になってしまいましたが。
10/15(日)18:30よりJR横浜線/田園都市線・長津田駅北口直結のみどりアートパークホールにて。(18:00開場)

ブラームス・ヴァイオリンソナタ第1番

演奏
ヴァイオリン・岸川りほ 第1回日本香港国際音楽コンクール第1位、第66回全日本学生音楽コンクール東京大会第1位、現在東京芸大2年在学中

ピアノ・清水紀子 第36回全日本学生音楽コンクール東日本大会第3位、第57回日本音楽コンクール第3位、桐朋女子高校、桐朋学園大学、ベルリン芸術大学卒業

とても立派なキャリアのお二人の合奏を僕自身楽しみにしています。ピアノ、ヴァイオリン以外の楽器の人、また音楽愛好家の方々にも聴いて頂きたいものです。

このホールは大変良い音響です。ピアノ以外の楽器で聴くのは僕も初めてで、それも興味があるところです。
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小さな差

2017年10月09日 | その他
ルビーとサファイアを間違えることはない。同時にルビーならどれでも良いと買う人もいない。

そこで分からぬまでも必死に目を凝らして品質を見極めようとする。

幸いなことに大きさもそこでは意味がある。マハラジャが所有していたのを見たことがあるが、その大きさに度肝を抜かれた。

幸いなことにと書いたのは、大きさなら誰でも分かるからだ。ところがこれが罠なんだな、言うまでもないが。大きなまがい物だって立派に存在する。いや、だってどころかきっと星の数くらい出回っているだろう。何なら舌切り雀の話を思い出しても良い。

そこで改めて質が大切だと相成る。ところがこれが難しい。うーむ、サファイアとルビーの差ははっきりと分かったのだが、と思案投げ首になるのは請け合うね。

僕はどうかって?こう見えても僕は審美眼があるのだ。犬ならばルビーでも平気でオシッコをかけていく。宝石なんてただの石ころに過ぎないのに、この赤い石は何だか綺麗だなぁと手に取る猿並みにある。

その上数字も読めるから腰を抜かしたりも出来る。どうだ。

以上からも分かるように(ホントかね)質の差というのは実に些細な、小さな小さな差異なのだ。

ピアノでも事情は同じである。誰が大きなつづらを選んだ意地悪爺さんを笑えるだろう。

にも拘らず呑気に構えていられるのはまがい物のルビーをつかまされた経済的痛手が無いからに他ならない。

小さな差異を聴き分け磨くこと、これは言うは易いのだが極めて難しい。ルビーの鑑定の困難と何も違わない。音が出た途端に消え去るのだから余計に難しいと言っても良い。

宝石をためらいもなく買う鑑定眼が無い人はそれを肝に銘じておけば良いだろう。






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謎のような

2017年10月06日 | その他
ラーメン店の主人が店に大麻をどっさり所持して捕まった。客が大麻の匂いがすると通報したことがきっかけだという。

しかしその通報した人はどうやって大麻の匂いだと知ったのかな?不思議な報道である。続報が欲しいなぁ。

麻薬探知犬だって訓練されてようやく嗅ぎ分けるんですぜ。それとも客は人ではなくてシェパードだったのか?きっとそうだ、そんな気がしてきた。

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手抜き発表会?

2017年10月03日 | 音楽
昨年の秋くらいからほぼ毎月主に横浜市のホールを借りて生徒達に弾かせてきた。

もっとも僕が計画した訳ではない。生徒諸君が自分の都合に合わせて週末の空き状況を調べて取って来る。僕はその時間が空いていればOKを出すだけだ。

人前で弾く機会が欲しいのは皆んなそうだろう。そうした機会を提供する人がいるのも知っている。しかし大抵が高い参加料で制限時間も短かめだ。

大きな生徒達だけではなく生徒の生徒にも弾く機会を与えてみよう、ホール代も数千円で済むような人数になったら、と乗り出してみた。そうしたら次々に空いているホールを取って来るようになったわけである。

大きな生徒達は言うに及ばず、生徒の生徒たちもほぼ毎回出る子が増えた。その結果は僕の予想をはるかに超えて良い影響が出ている。

曲を何とか間に合わせる(余りに無理な場合は出演を見送らせるが)だけではない。何度か同じ曲を弾くのも良いし、そうすると前回より明らかに上達しているのが分かる。子供の成長曲線はこんななのだ、と改めて感じる。

大きな生徒達のリハーサル的な場にと思っていたが、むしろ子供に大きなメリットがある。聴きに来て下さるのはいつも同じ顔ぶれで所謂発表会のような賑わいはゼロだが、横浜市の中でも良いとされるホールばかりで弾く機会は何にも代え難いだろうと思っている。

下ごしらえのような演奏から準備された演奏まで、その人たちの都合に合わせた会だ。弾く人もプロから趣味の人、初心者まで入り混じっている。偶然催し物案内で僕の名前を見かけたらふらっと立ち寄って頂けたら嬉しい。ピアノが上達するには雁字搦めにするのではない、その楽屋裏を見て貰うのも良いのではと思っている。

それにしても毎月になるとはね。
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徒然なるままに

2017年10月01日 | 音楽
さる有名ピアニストはエージェントの要望でアバンギャルドを演じているのだそうだ。

大路を狂人の真似だと走る者は狂人である、と兼好法師は言った。800年も昔のことである。
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