季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

花火

2017年01月31日 | 音楽
ドビュッシーの花火は華々しい音楽だと思っている人へ。

華々しい曲の割には打ち上がる花火はずいぶん少なくて寂しいと思わないだろうか?

隅田川でも熱海でもいい、眺めてそれに曲を付けようとしてみたらどうか。音の洪水のようになるだろう。

この曲に於いてはむしろ打上げ音の後の静寂に作曲家の努力は注がれているのではないか。

こういうところから、作曲家は花火大会の賑わいの中に入っておらず、ぼんやりと無感動に花火を眺めているように僕は感じる。最後に国歌の断片が聞こえるのも同じ印象を与える。

念のために付け加えると、以上を了解しなければこの曲が弾けないというのではない。fを華やかに弾かなければならないとムキになっているような演奏者が、ふと我に帰ることもあろうかと記したのである。
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ため息

2017年01月23日 | その他
スポットライトに照らされた舞台。鍵盤の上を指が踊る。ポロロロローン ピーンポロポロポーン ジャボーン

のっけから驚かせて失敬。

昨日余りにも酷い新聞記事を読んで感染してしまった。

 息が白い。気温は零下1度。時計の針は午前6時50分を指している。
 昨年12月の日曜、宮城県石巻市の国道沿いにあるパチスロ店ジョイパーク石巻店には10人以上が列をつくっていた。
 シャッターがゆっくりと上がった。
 キュインキュイーン。ピッポパッポピピピピピ。

思わずのけぞるね。これが日本を代表する大新聞の記事だ。

有り体に言えば、これは小学校の作文指導そのままなのである。簡単に気の利いた文章をでっち上げる術を教え込み、それを器用に覚えた者の何人かが新聞記者を目指す。

同じ記事の中で、片方の頰で笑った、というのまであった。こんな三流文学の文章を読んでいては記事を信頼する気持が生まれるはずもない。

やれやれ。
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ホールでの講座終了後の感想

2017年01月16日 | 音楽
いつになく多くの質問があり、楽しかった。答えるのが難しい質問もあるのだが。

要するに言いっ放しの「講義」ほど詰まらないものはない、ということだ。少なくとも僕にはそうである。

ホールは弾き手の意思がよく伝わる、大変良いものだ。そして矛盾するようだがピアノは弾き手の意思が伝わりにくい。

僕は果して違いを示すことができるだろうかと心配していた。僕が欲したほど違っていたのかはわからないけれど、何人かの感想を信じるならばそれは伝わったのだという。

人は自分の音を遠くで聴くことはできない。当たり前のことだか残念ではある。

楽器が悪いのはさほど大きな問題ではない。問題はこのホールの楽器のように化粧で誤魔化している場合だ。

それもしかし余り神経質に囚われる必要はないのだろう。必要なことをすればそれなりの違いは出るのだと信じることが大切なのだろう。それを改めて思う。
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1月の講座案内

2017年01月02日 | 音楽
1/15(日)18:30 みどりアートパーク(横浜線・田園都市線 長津田駅前)

いつもの会場が取れなかったところに幸いにもホールの夜間使用を提供して頂いたので。
このホールの音響は実に良いのです。そこでの響きを体験して貰えたらと思っています。
桐朋二年生の齋藤和香子さんがショパン・バラード第4番を演奏し、レッスンをします。
出来れば年に何度かはこのようなより広い、音響の良いホールでも開きたいものです。
音楽関係者がこのホールの音響の秀逸さを信じていないように感じるのはいかにも残念です。
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