日本の昔話に、人の心が何でも読めてしまう、得体の知れない生き物が出てくる。
人に出会うと「お前は今、これこれこういうことを思ったな」と、すべてを分かってしまい、皆気味悪がっていた。
オチは、そうやってからかわれていた桶作りの職人が、竹を曲げてタガを編んでいたところ、手が滑り竹ヒゴが魔物の顔を打ちすえてしまう。
人間の考えることは全て分かると思っていたのに、分からぬこともある、人間は薄気味悪い生き物だ、と山奥に逃げ去る、そんな話だった。
さて、前置きが長くなったが。
人が心で思うだけで解読することにある大学が成功したそうだ。ニュースになっていたから知っている人も多いだろう。今のところ簡単な幾つかの単語しか解読出来ないが、将来はもっと複雑なことまで可能になるらしい。
話すことが出来ない病人などを念頭に置いた研究だという。それは実現したら素晴らしい。
昏睡状態の人に意識が無いと誰が断言できるだろう。眠りから覚めた人が、それまでも意識はあったという報告はごく少数では無い。
これらを全て真実だと認めることは難しいだろうが、科学の名前のもとに否定するのもまた非科学的だろう。
仮に昏睡状態の人にも意識があるとする。その人達が自分の意思を伝えることが出来るのならば、これは画期的なことではないか。
でもここでまた、人間は善意でばかり動いてはいないと言わざるを得ない。これは凄いと膝を打っているあなた、この装置?は一歩使用法を間違えたら恐ろしいですよ。
どうぞゆっくりなさって下さい(早よ帰らんかい)
まぁ、可愛い赤ちゃん(子ブタのピグリンじゃない!)
こんなになったらどうします?あらゆる発明は人類を変化させて来たが(発展させたかは疑わしい。でも変化だけは確実にさせた)同時に諸々の不便さ、不都合さももたらした。
今の所僕は面白がってニヤニヤしている。他人事のようにね。本来の目的以外に使われないことを祈る。テレビの馬鹿げたコメンテーターみたような意見?を開陳して終わっておく。