季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

ベテルギウス

2013年09月28日 | Weblog
つい数日前、驚くべきニュースがあった。

オリオン座のベテルギウスが数週間から数か月後に爆発し、ことによれば太陽と同程度の光度に達するというのだ。

僕は夜犬の散歩に出る日課であったから、冬の夜空を見上げては「オリオン座をこうして眺めるのはあと何度あるのだろう」と思うのが習性と言ってよいほどオリオンに愛着があるのである。

ベテルギウスは命を終えかけている赤色巨星である。いつ終焉を迎えても不思議ではない。でもどうせなら僕の目の前で宇宙の大神秘を見たい。どんな芸術も消し飛ぶようなドラマを見たい。

宇宙の時間規模ではもうじき、といっても人間にとっては長い長い時間だ。僕が目にすることは無かろうと諦めていた。

それが数週間だって!僕は単純に楽しみであった。猛烈な宇宙線が地球に降り注ぐ確率も、たとえ極めて低くてもあるという。でも、そんなことはどうでもよいぞ、とワクワクしてしまった。

その後、このニュースは何かの誤報で、報道されたような兆候は今のところない、と正式な訂正があったようである。ベテルギウスが終焉を迎えているのは本当だが、やはり数千年規模で考えるだけのことらしい。拍子抜けしてしまった。

それでも冬の夜空に相変わらずオリオンがあった方が良いかな。もうじきオリオンの季節になる。
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軍艦島

2013年09月26日 | その他
廃道のことを書いた。ネットでも検索すればいくつも面白いのが見つかる。軍艦島のストリートビューがあると知った時は、ああネットの時代になりいろんなものが変化したなあと一種の感慨にふけった。

僕が軍艦島について知ったのはネットの時代よりずいぶん昔、洲之内徹さんの「気まぐれ美術館」だった。そのころ一人のカメラマンがこの廃墟を紹介すべく、撮影に行って洲之内さんも同行した。たしかそんな経緯だったはずだ。

軍艦島というのは長崎県の沖合にある、かつて海底炭鉱で大いに栄えた端島というのが正式名称である。遠くから見ると海に浮かぶ軍艦のように見えるからその名で呼ばれる。

洲之内さんたちが行った当時は渡る手段も何もない、文字通りの廃墟だった。携帯もない。バラバラに行動して落ち合う場所を丹念にチェックし、インスタントラーメンをすすり、だったようだ。野営の厳しさと廃墟の心が詰まるような情景がよく出た、印象深い文章だった。

そうした紹介がきっかけになり、関心を持つ人が増えたのだろうか。今では一種の観光スポットになり、順回路まで整備されているらしい。

知らない人は「軍艦島」で画像検索でもしてごらんなさい。それで面白く思ったら洲之内さんの文章も是非一読を。

廃墟をうたった歌曲もある。シューマンの「リーダークライス」だったかな。
衛兵がauf den Burg(古城の上、城壁だろうね)に立っているという幻想を歌う。いかにもシューマンが好みそうな題材だ。いつだったか演奏会で対訳付のプログラムで笑ったことがあった。衛兵が山の上に立っている。

なんじゃ、こりゃ?酷い誤訳だ、とよくよく見るとauf den Bergとなっている。これは確かに山の上だ、誤訳ではないね。

でもね、衛兵が山の上に立っている、では何の感興も湧かないよ。誤植だとすぐ気づいてもよさそうだ。外国語ができたって駄目だという恰好の見本さ。山の上に立つ一人の衛兵、まぬけだなあ。今でも時折思い出す。
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2013年09月23日 | その他
散歩のコースはかつて非常な景勝地だった。今はダムの底に沈む。

ダム湖に沿って歩き、はるか下をのぞくとガードレールらしきものが散在する。その行きつく先がダムの斜面に突き刺さったように見えるところからも、これは多分かつての道ではなかろうか。いろいろ空想を刺激する。

廃道、廃墟、なんともいえぬ響きがある。廃道探索に情熱を燃やす人までいる。ネットですぐに見つかる。自分で探索をしようとまでは思わないけれど、そういった人を面白いと思う。

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お国柄

2013年09月16日 | 音楽
僕は暇を見つけてはスポーツのテレビ観戦にいそしむのだが、国際試合だと国歌が吹奏されますね。これがなかなか面白い。職業柄だろうが、つい耳がそちらに行く。
F1だと今はドイツ人ドライバーがオーストリアのチームで大活躍している。優勝したドライバーの国歌とチームの国歌が続けて演奏される。ドイツ国歌は言うまでもなくハイドンのカルテットによる。およそこれほど美しい国歌はあるまい。戦前はオーストリア国歌だったと思う。戦後オーストリアは新たな国歌を定めたが、これがまたハイドンの後に奏されて何の違和感もない。同じ文化圏だと改めて感じる。

スペイン人ドライバーがイタリアチームにいて、ここも強いからスペイン国歌とイタリア国歌を聴くことも多い。同じラテン国歌でもまるで違うのが面白い。イタリアの国歌を初めて聴いたときは笑ってしまった。

途中、がらりと曲想が変わり、こりゃオペラじゃ、何という大げさと思った。後に調べたらヴェルディが手を加えたのだそうだ。そりゃオペラになるよね。スペインのはどう言ったらいいかな、王政が続いた国だと感じる。

フランスのは歌詞がまあすごい。血で血を洗うとはこれだな。フィンランドのは透明なハーモニーが美しい。とにかく色々特徴が出る。you tubeで次々に聴けるから僕と同じくらい暇な人は試して御覧なさい。

日本の国歌は苦肉の策だったのかもしれないけれど、初めと終わりのユニゾンといい、実に独特で、しかも簡潔で(イタリアと比べてごらん)音楽的だと思う。イタリアだけが長いのではないよ。たしかニュージーランド国歌だったが、もう長いのなんの、たぶん建国の歴史を語っているのだろう。ただ、大抵は縮小版で演奏するから知る人は少ないだろう。
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ネオテニー

2013年09月14日 | その他
スポーツの世界を見ていて面白く思うことのひとつ。

非常に若い年齢でトップアスリートになることが多い。日本の選手ではまずない。
レーサー、自転車選手、サッカー等、見つけようと思ったらいくらでも見つかる。
日本人ではあまりないのにいろいろ理由はあるだろうが、ふと脳の成熟がモンゴロイドはゆっくりしている、という話を思い出した。

たしかネオテニーというのだが、他人種と比してモンゴロイドの脳がすっかり発達しきるのは数年遅いらしい。(お前は数十年遅いだろう、なんて突っ込まれると返答に困るが)
これは運動能力などとも関係があるのだろうか?スポーツのメンタルな部分とは関係ありそうに思えるね。

万事がこれで片付くはずもないが、頭の片隅に置いておくとよいかもしれない。
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