季節はずれのインテルメッツォ(続)

音楽、文学、絵画、スポーツ、シェパード等々についての雑記帖。

バッハをピアノで弾く

2020年04月30日 | 音楽
大変な数の人が見ているらしいピアニストの講義動画がある。

人の言うことであるから全部が全部間違っている筈もないが、ふと目についたバッハの基本について疑問を出しておきたい。あまりに断定口調なのでふらつく人も大勢いるのだろうから。

バッハの時代はチェンバロで演奏していたから、そのような効果を上げるようにしてくれろ、平たく言えばレガートは望ましくないといったことだろうか。カッコ付けて言えばチェンバロの演奏様式に準じてとでも。

しかしバッハはクラヴィコードを大変好んだと言われているではないか?オルガンはどうする?

インヴェンションは成る程殆どの場合チェンバロで弾かれたかもしれないが、1番にしてもクラヴィコードで弾くと大変美しいと思うことも可能だ。しかも今日ではゆっくり目のテンポの弾かれるからなおさらなのである。

他にも色々厳しいイロハがあるようだが、そもそもピアノで弾く必要性があるのか?という疑問は持たないのだろうか。チェンバロで弾けば良いだろうに、と僕は茶々を入れたくなる。

今日バッハをピアノで弾くことについて、大上段に構えて論じることは僕はしない。弾きたいから弾く、弾くからには僕の心に映るバッハの姿をよりはっきりさせたい。それだけで良い。

こう書くと木で鼻を括ったように聞こえるかもしれない。だがバッハという人の懐の深さを想うとそれ以外の表現は出来ない。

このピアニストにしたところでこの曲は明るいとか、、夜だから短調をとか言うのである。では一歩進んでこの曲は逞しいとか、リズムが弾んでいて楽しいとか言うのは構うまい。

すると八分音符は絶対に同じ長さに!これが基本で出来ない人はダメだと断じるのは必要なのだろうか?イ短調インヴェンションからブリューゲル張りの陽気さ、逞しさを感じるのはおかしいだろうか?そう感じた時八分音符はひとつ目とふたつ目では微妙に違うことにならないだろうか?

若いピアニストに突っ掛かるのもどうかと思うが本ブログの読者100万人には及ばぬものの毎日数万人の人がこの人の講義を視聴するのだという。本ブログ読者の中にもふらつく人もいるかもとの老婆心から僕の感じる疑問を記しておこうと思った次第。

ヴァイオリンのための無伴奏パルティータのプレリュードをそのまま調を変えてカンタータ29番の第一曲にするバッハのような男に禁則だらけのようなアプローチは似つかわしくないのである。


コメント (2)
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エクササイズ

2020年04月25日 | 音楽
ブラームスに練習曲があるのは必ずしも知れ渡っているわけではない。

大学生のころほんの数曲手をつけて放ったらかしにしていた。というのも練習曲といってもショパンやリストのそれと違って試合前の予備練習のような感じだったからだ。

27歳でハンゼンの門を叩いて直ぐに「ブラームスのエチュードをやったかね」と問われ何やらバツが悪かった記憶がある。

それから真剣にこのエクササイズに取り組んだわけである。

ブラームスという人はピアノを弾く身体、動きを分析する能力があったのだと今僕は痛感する。ネットなどで自分が決してしていない動作をしていると思い込み、その上で「正しいこと」として強調する人達を見るにつけ思う。

少しずつ紹介してみようと思っている。
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規格変革

2020年04月23日 | 音楽
リンクが貼れないと嘆いていたが、いつの間にかやり方が変わっていたようである。もっとも僕は何が変わったのかわからないままなのだ。
でも一応動画を貼り付けるのは出来たらしい。

検索したところリンクを貼る方法が変わったことだけは理解し、何も分からぬまま弄っていたら出来上がった。つまり再現性はないような気がする。

折角覚えたのだ、変えないでおくれ。
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やっと、、、オンラインレッスン動画

2020年04月21日 | 音楽

試験的に数分間を投稿してみた。
リンクを貼ろうと思ったが上手く行かないのである、とほほ。
暫く待っていただきたい。待ちきれないという方は僕の名前でYouTube検索して下さい。
masahiro shigematsu
で。
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オンラインレッスンの録画

2020年04月18日 | 音楽
先日オンラインのレッスンについて書いた。そのうちの1人を録画してみたところ思ったよりキチンと聴き取れるものだと分かった。生徒と僕とのやり取りが同時に見られる。こんな事が出来るとは思ってもいなかった。

この際だから少しずつYouTubeに上げてみようと思いついた。僕のささやかなチャンネル masahiro shigematsu で検索して下されば出て来ます。

オンラインレッスンばかりではなく自宅でのレッスンもほんの一部だが上げてみようと計画している。計画倒れにならぬ様にしたいものである。

関心のある人に少しでも参考になることを祈る。

といったもののどうやったらアップロードできるのかなぁ、、、
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オンラインレッスン

2020年04月09日 | 音楽
コロナの影響で一時的にオンラインレッスンという生徒が数人出た。

対面してのレッスンが大切なのは言うまでもない。しかし実際にやってみると思ったよりは出来るものだ。考えてみれば僕らはいつの間にかスピーカーを通しての演奏に慣れ親しんでいるのだ。そこで聴き分けることが可能ならテレビ電話で出来ないはずもあるまい。

映像と音がほんの少しズレるのが不愉快だが何とかなる。

いざやってみると面白いことに気付く。普段のレッスンでは僕はピアノの横に座っている。当たり前だ。僕が生徒の上に座ったり生徒が僕の上に座ったり出来るはずがない。

ところがオンラインレッスンでは僕がピアノの前に陣取るのである。だからだろうか、僕が弾いてみせることが遥かに多くなった。

また色々なアングルで撮してあげることでより丁寧な説明が可能になる。僕の掌の内側を覗き込ませるなど不可能なのにそれすら出来る。

結果より丁寧な説明をしているようで、一曲にかける時間が長くなるようである。これは予想外だった。

僕はこうした機器の知識は恐ろしく貧弱だが、そうしたスキルがある人ならばもっと良い音でレッスン出来るだろう。

言うまでもなくオンラインでのレッスンは限定的なものだ。普段対面してレッスンなのでその記憶を頼りにしている面もあるだろう。それでもまったくレッスンから遠ざかるより遥かに遥かに望ましい。それを実感した。
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