パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

ある昼下がりのソープドラマ(か?)

2006-11-07 12:49:19 | Weblog
 昨日の付け足しの話の続き。

 さて、Sさんとの話というのは、例によって「新聞」の製作の打ち合わせで、追加の写真をもってきてくれたのだが、その時に、発行事務所の住所が変わったということで、新住所のメモを貰ったのだが、電話番号が書いてない。たまたまメモ帳も筆記用具もないので困っていたら、口で言うから覚えておいてくれという。それで、何度か口移しで暗唱したが、数字憶えは大の苦手なので、明日(つまり、今日)のお昼頃までに電話で教えて下さい、と言った。「昼頃まで」というのは、そうでないとSさん指定の発行日に印刷が間に合わないと思ったからだが、今だ連絡がない。自宅に電話してみたが、留守電しかない。もちろん、教えてくれ旨、吹き込んでおいたが、いつ連絡があるかわからない。
 それで、新聞の前号に書いてある、旧事務所に電話をしてみた。ひょっとしたら、「お客様は新しい電話番号になりました」云々の音声が流れるかも知れないと思ったのだが、案に相違して、女性事務員が出た。話の具合では、どうも、旧事務所は旧事務所として存在しているらしいのだが、その事務員、「あら、南原さんね、お久しぶり」という。れれれ?と思ったが、声の調子でわかった。Sさんの前妻だ。いや、正式に結婚していたのかどうかわからないが、Sさんの部下の若いものたちも「奥さん」と言っていたので、私も「奥さん」と思っていたのだが、例のテコンドー連盟をめぐるごたごたの最中、いつの間にかいなくなってしまったのだ。
 Sさんは巨大なドーベルマンを何匹も飼っているのだが、それに例えれば、「愛犬が姿を消すがごとく」、奥さんも消えた、という感じだった。それで、つまるところは、「金の切れ目が縁の切れ目か」と思っていたのだが、なんのなんの、まだ縁は切れていないらしい。

 ところで、実は、Sさん、奥さんがいなくなって暫くして、新しく秘書兼愛人みたいな若い女性をつくっていて(R奈さんといい、ちょっと水商売っぽい……というか、キャバレーのショーか何かに出ているような感じ。実際、その可能性は強いのだが)、先日の仕事の打ち合わせにも、その女性を連れて現れたのである。Sさんの自宅に電話をすると、時々いることもあるので、彼女を新しい妻としたのかなと思っていたのだ。

 そんなわけで、旧事務所に電話したら旧妻が現れたもので、あ、なんかまずいことをしてしまったかも、と思ったが、しょうがないと思って、新しい事務所の電話番号を聞いたら、彼女はわからないと言い、R奈さんのケータイに電話して聞いたらいかがですか、と言う。呆気無くR奈さんの名前が出たので、ああああ????と思ったが、R奈さんのケータイは知らないと言うと、じゃあ、私が聞いてみましょう、と言う。さらにまた、あああああ?????

 まあ、たしかに新妻(?)のR奈さんは、明らかに「素人」ではないので、そのへんの男女のあれこれにはさばさばしているかも知れないわけで、旧妻と新妻が連携を取り合っていてもおかしくはない。
 そういえば、以前の奥さんが、Sさんの部下の若いものとSさんの自宅近所の喫茶店で会っているところを見かけちゃったこともあるなー。いや、仕事の打ち合わせかも知れないけどね。いろいろ、取り仕切ってばりばりやっている感じで、彼女もまた、普通の一般的な「奥さん」とはちょっとちがう。

 そんなこんなで、考えようによっては昼下がりのソープドラマってやつが想像されたりもするのだが、それはそうとして、Sさんの前の奥さん、実は、私の知り合いの奥さんにそっくりで、あんまり他人と思えなくて、「別れた後」どうなったのか気になっていたのだが、Sさんの近くに依然いることがわかって、みんななんやかやで生きていってるのだなーと、しみじみと思ったりした昼下がりである。

「イチモツ」鑑賞報告

2006-11-06 12:36:33 | Weblog
 自主製作映画、「イチモツ」の上映会。野方の区民センターのようなところで。

 監督・脚本、山本拓、出演、高岡晃太郎、佐々木和也他。
 タイトルの「イチモツ」は中身とはあまり関係がないが、巨大人食い「亀」との闘いというテーマなので、そこらへんでちょっと関係あるのかもしれない。

 事前に八ミリ白黒映像で、上映時間98分ということを知り、たしかに八ミリ映像は魅力的で、今どきかえって贅沢な仕様とも言えるのだが、上映時間一時間半超におよぶ劇映画として見せるのは、画質的に、というか能力的に八ミリにはちょっと苦しい要求なのではないかと思っていたが、実際には八ミリ映像をデジタル変換して、それをデジタル機器で映写しているため、まったくの杞憂だった。
 昔の八ミリ映画は映写の段階でアナログ的に引き伸ばされるので、そこで画像の劣化がが一段階も二段階も進んでしまうが、デジタルのばあいはオリジナルの画質がそのまま保たれるということなのだろう。そんなわけで、「見た目」は、一昔前の16ミリ映画みたいで、「美しい」とも言える。

 で、内容なのだが……巨大亀退治というストーリーは、いわば、フリージャズにおけるテーマのようなもので、全体を通じておぼろげながらその存在が感知されるだけで、見せ場は「演奏そのもの」という感じ。そして、そういう風に見れば、レベルは大変に高いと思った。たとえば、戦闘シーンその他で、手持ちカメラがかなり多用されているが、それによる画面の揺れはあまり気にならない。画面の揺れで緊迫感を現わすという手法の習熟度は、自主製作映画のほうがプロの映画よりも数段上だということは、前から感じていたことではあるが。

 主役の佐々木氏の熱演がすごい。佐々木氏は熊本の警官という役で、熊本出身の兵隊は日本一強いという話を聞いたことがあるが、佐々木氏の熱演はその風説を「なるほど、その通りかも知れん」と思わせるものがあった。上映終了後、出演者一同の舞台挨拶があったが、佐々木氏はどうやらプロの役者らしい。なるほどね。どこか、一段飛んでいるというか、見る人の目を画面に引きずり込んでしまう。

 後、音楽が良かった。担当は吉田拓史という人だが、演奏は、バイオリン、ビオラ、コントラバス、アルトサックス、クラリネット、トランペット、ギター、ピアノ、パーカッションとフルオーケストラ並みの構成で、ほとんどフリージャズオーケストラという感じ。お話しが70年代ということなので、オーケストラによるフリージャズという、当時の流行りをちょっと意識して取り入れたのかも知れない。
 冒頭で、小学生の女の子が座ってリコーダーで「フニクラ」をたどたどしく吹いている。そして、吹き終わって立ち上がり、家に帰るのだが、そこで、チター風のギター演奏による「フニクラ」に切り替わる。ここは、高岡晃太郎監督作品っぽく、かっこうよかった。(高岡君は今回、主役の一人を演じたのだが……正直言って、佐々木氏に比べるとね……役者としての吸引力がないから……映画作家としての高岡君は本当に素晴しいのだが)

 といったところが私の印象なのだが、中村犬蔵という人のCGアニメ作品などが併映されたりlして(「バカ映画」の王道を行くような超ショート作品。面白かった。このジャンルでは日本は他国の追随を許さない。なんたってネタが豊富だし)、一時間もあれば終わるだろうと思っていたのが、だいぶ時間オーバーとなって事務所に戻ったら、ビルの前で埼玉のリベラル右翼、S氏とばったり遭ってしまった。実は、S氏との約束があったのだが、時間は「夜」というだけで、また、いつも時間通りに来るような人ではないので、映画界の時間がオーバーしてもまあ、たぶん大丈夫だろうと思い、終了後の舞台挨拶につきあっただけでなく、途中で、「野方のホープラーメン」を久し振りに食べたりして、のんびり帰ったのだが、「南原さん、どうしたの、二時間近く待ったんだ」と怒られてしまった。
 「すみません、すみません」の連発でなんとか話を終えたが、縁が切れないなあ、S氏とは。

 http://homepage2.nifty.com/DA-KIKAN/ichimotsu/で、「イチモツ」の予告編等を見ることができます。

赤塚不二夫倒れる(二年前に)

2006-11-02 15:23:56 | Weblog
 報道ステーションを見ていたら、たぶん、この時期恒例なのだろうが、今年なくなった人々を紹介していて、その中に、赤塚不二夫の奥さんが出てきた。
 二番目の奥さんとかで、赤塚よりだいぶ若いらしい。写真を見たらなかなか綺麗というか、かわいらしい女性だが、さて、赤塚本人はどうしたのだろう、最近姿を見ないが、と思ったら、二年前に脳溢血で倒れて、意識不明状態が続いているそうだ。ということは、植物人間になってしまったのだろう。(「植物人間」という言い方も最近聞かないな、そういえば)奥さんは、その赤塚をずっと看病し続けて、先に死んでしまったわけだ。
 彼女の希望は、赤塚が再起して、また傑作漫画を書いてもらいたいということだったらしいが、赤塚自身はもうその気力も体力も才能もなく、奥さんの前で、腑甲斐無い自分を嘆いて泣いては、慰めてもらう日々だったらしい。
 それでも不摂生は止まず、ある日突然倒れて植物人間となった。当然、奥さんの希望も断たれたわけだが、それでも看病は続け、そして先に死んでしまった。

 赤塚もずいぶん罪作りだが、なんでこうなってしまったかというと、結局、古谷三敏が彼のもとを去ったのが痛かったのではないだろうか……と、ずっと前から思っているのだが。

 そもそも、赤塚の代表作は何かというと、「バカボン」より、「秘密のアッコちゃん」(実は、これはみたことがないのだが)とか、「おそ松くん」だと思う。つまり、お人好しのヒューマニストが赤塚の実像で、ただ、露悪趣味のようなものがあるので、その側面が、古谷三敏というインテリの支えを受けて開花したのが「バカボン」ではないかと。

 ヒューマニストで、かつ露悪趣味があるという点では、赤塚は写真家の荒木に似ている。ただし、赤塚が無類の正直者であったため、露悪趣味が自己破滅にいたってしまったが(植物人間となった赤塚を、奥さんは「可愛い」と言ってたそうだが、それは、赤塚の「破滅するまでの正直者」というところをそう称したのだろう)、荒木はそういうことはない。別に不正直というわけではないのだろうが、やっぱり、自己弁護に長けているのだろう。出来上がった写真が露骨すぎるというので、本人の要望で発売中止になった写真集があったが、あの時も、荒木にはまったく影響はなかった。「喋れる」ということは、現実問題として、大切なのだろう。

 加藤茶が緊急入院。
 なんか、こんなニュースばっかりだが、2chのスレに、「体長を崩し云々」とあったので、「縮んだのか?」、「くしゃみのしすぎ」、「余命はちょっとだけよ」などの書き込み多数。コメディアン冥利につきるね。