パラドクスの小匣

南原四郎、こと潮田文のブログです。

痛し痒しな話

2006-11-21 14:00:19 | Weblog
 株価下落。関係者(どんな人だが知らないが)の話では、個人消費が伸びないことを市場が察知し、嫌気した結果だそうだ。

 たしかに、半年ぐらい前から、その雰囲気は感じる。といっても、コンビニとか外食屋とか、その程度なのだが、な~んとなく、値上げをしたい雰囲気があり、実際に、御飯の量を少し減らしてみたりしているが、しかし、それもいわゆる「様子見」以上ではなく、消費者の判断を気にしながら、「出しては引っ込め」のカタツムリ状態だ。

 切り札はやっぱり子供が増えることだろう。子供が増えれば、嫌が応にも消費を増やさざるを得なくなる。

 あと、もうひとつは少子化と裏腹の高齢化に伴う財政負担、具体的に言えば医療費と年金だが、医療費について言えば、本来、これもまた「消費」の一種と考えてもよいはずだが、実際には「社会保険」制度なので、健康な人、特に現役世代の負担になる。しかし、現役世代だっていつ病気になるかわからないのだから、社会保険方式は崩す訳にはいかないだろう。(ただし、アメリカみたいに、医療保険も実質は民間の保険会社が行い、掛け金は、国民から徴集した税金で政府が払うという折衷方式もあると思うが)
 問題は年金だ。懐かしい金さん銀さんが、自治体からお見舞金のようなものをもらって、何に使いますかと聞かれて、「老後のために貯金します」と答えてみんなを笑わせたけど、正直いって、本音だろう。若いうちは、金がなくなれば働けばよいが、年をとったらそうはいかない。そんなに必要無いとわかっていても、せっせと貯金する。
 実際の話、毎年、政府が払う年金支給額は、ン十兆円に達すると思うけど、そのうちの相当額は貯金に回っているだろう。もちろん、そのお金を預かった金融機関が国債を買っている。つまり、いわば政府に還元しているわけだから、痛し痒しの話だが……。
 前から考えているのだが、年金をクーポン券で払うというのはどうだろう。クーポンなら、実際に使われた金額だけを国が負担すればいいのだから、確実に財政負担は減るが、でも、確実にデフレ要因になるし……これまた、痛し痒しな話だ。

 一昨日だったか、曾野綾子が産経新聞で、以前、ある大手新聞社系の週刊誌のコラムで、自分は東京出身なので、差別を目にしたことはないと書いたら、編集部から「そんなはずはない」と書き直しするように言われ、それを拒否して、結局、コラムの連載そのものが中止になったと書いていた。
 私も東京の世田谷だが、差別を実見したことはない。正直言って、問題という問題があることそのもも、ずいぶん後まで知らなかったし、今だって、正確に理解できているとはとても言えない。もっとも、「それはあんたが知らないだけだ」と言われればその通りなのだが、しかし、「東京人」一般の感覚は、そんなものだ。
 問題は、そういう感覚が、差別を受ける側としてどうなのかということだ。今までは、そういう無知が差別を見えなくし、結果的にそれを助長するのだと言ってきたわけだが、逆に、グッドニュースと考えることだってできるし、そう考えた方が彼ら自身にとってもいいと思うのだが……。
 ただ、確実に非難されるべきは、「差別ありました」と書かなければいけないと言った、大手新聞社系の週刊誌の編集者だ。まさか、「私は差別なんて知らないから、差別なんかないんでしょ」と書いた訳ではないだろうに。どこだろう……朝日、毎日、読売の三つの一つなんだが。